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「和の未来」支える84歳 持田さん、金沢で建築の技「規矩術」伝承

日本独自の建築の技「規矩(きく)術(じゅつ)」と文化財修復で第一人者の持田武夫 さん(84)=京都市=が、自ら金沢職人大学校で教える若手研究者らと金沢市内で武家 屋敷の解体移築修理を進めている。

「教え子」には金沢城復元工事の棟梁(とうりょう) や大学の教官、女性建築士ら幅広い人材がいる。12年前に加賀藩以来の技を残そうと創 設された小さな教室が、消えゆく日本の建築技術を支えるまでになった。北陸新幹線で脚 光を浴びた「和の未来」もこうした金沢の底力が生み出したと思わせる現場を見た。

持田さんは、戦後早くから、松江城や姫路城の解体修理に参加し、元は宮大工だった。 直角に曲がった「差し金(規矩)」で微妙な曲線を生み出す和風建築の屋根や軒先を設計 する名人で、ただ一人「規矩術」で文化庁認定の文化財選定保存技術者に選ばれている。

法隆寺建立以前から存在したと伝わる大工道具「規矩」を正確に使いこなせる人は戦後 急速に減った。12年前、当時の山出保金沢市長に依頼されて教え始めた職人大学校では 「持田規矩塾」を開講。普通なら教師役の大学教官やベテラン大工が「生徒」となって、 毎週勉強を続けている。

安田正太郎さん(51)=金沢市久安=は塾の1期生で、当時は一大工として金沢城復 元工事に関わったが、12年間学び続けて現在の橋爪門復元工事では、大工の最高責任者 である棟梁を務めるまでになった。「毎週、持田先生から直接習えるのは、金沢以外では 考えられない、とてもぜいたくな授業」という。

全文はこちら
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20140422101.htm
参照元記事 / 北國新聞

「規矩術」をベテラン大工に教える持田さん=金沢市大和町の金沢職人大学校 / 北國新聞

「規矩術」をベテラン大工に教える持田さん=金沢市大和町の金沢職人大学校 / 北國新聞

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