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江戸期発明家・工楽松右衛門の邸宅跡整備へ 高砂出身 / 兵庫

江戸時代の海運業発展を支えた帆布の開発や択捉島の埠頭(ふとう)建設に携わった高砂出身の発明家工楽(くらく)松右衛門(1743~1812年)ゆかりの邸宅跡(兵庫県高砂市高砂町今津町)の整備に、高砂市が乗り出すことが7日、明らかになった。本年度中に、老朽化が激しい建物の復元保全工事計画などを立て、2~3年後の県史跡指定を目指す。

松右衛門は漁師の家に生まれた。兵庫津の廻船(かいせん)問屋で、淡路島出身の豪商・高田屋嘉兵衛らを指導した。軽く丈夫な「松右衛門帆」を開発して、帆船のスピード化による海運業の発展に貢献。函館(北海道)のドックや鞆(とも)の浦(広島県)の築港でも活躍した。

現存する邸宅跡は、江戸時代に2代目工楽松右衛門が建てたとされる。戦前には版画家棟方志功や俳人永田耕衣ら文化人が集まったことでも知られる。木造2階建て本瓦ぶきで延べ床面積約330平方メートル。敷地は約650平方メートルあり、周辺は兵庫県の歴史的景観形成地区に指定されている。

ただ、近年は邸宅内にごみが散乱するなど荒れた状態で、残された貴重な資料の確認もできなかった。今年に入り、現在の所有者が邸内を整理した上で、市に建物と土地の寄付を申し出たという。これを受け、市は計画策定に着手することを決め、市会9月定例会に業務委託料として1千万円を提案する。

登幸人市長は「観光・歴史・文化の発信拠点として有力な資源。邸宅跡を核にして周りの文化財などをつなぐことができれば」と話している。

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201509/0008376812.shtml
参照元記事 / 神戸新聞NEXT

整備計画が持ち上がっている邸宅跡=いずれも高砂市高砂町 / 神戸新聞NEXT

整備計画が持ち上がっている邸宅跡=いずれも高砂市高砂町 / 神戸新聞NEXT

高砂神社に立つ工楽松右衛門像 / 神戸新聞NEXT

高砂神社に立つ工楽松右衛門像 / 神戸新聞NEXT

 

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