Exhibition

絵図で知る江戸時代の前橋城 粕川歴史民俗資料館 / 群馬

前橋市の県庁一帯に本丸があった前橋城跡の歴史をたどる「前橋城絵図の世界-江戸時代の前橋城を知ろう」が、同市粕川町膳の市粕川歴史民俗資料館で開かれている。入館無料で、二十七日まで。

前橋城は十五世紀末ごろの築城と伝わり、西側の利根川を天然の要害とした堅城。戦国時代に上杉謙信が関東進出の際に在城し、織田信長の重臣滝川一益も関東を抑える拠点とした。

十七世紀になると、徳川家康の重臣酒井氏が入城し、現在の前橋市街地の基礎となる城下町を整備。その後に松平氏が入るが、利根川の氾濫で城を放棄し、幕末に一時的に再築されるまで城主不在が続いた。

現在は城郭建築はなく、県庁や県警一帯の土塁や空堀と、車橋門跡の石垣などが残るのみだ。展示しているのは、江戸中期から明治初期までの三十二点。大半が原本で、初公開品も多い。

中でも十七世紀半ばの酒井氏時代という展示品は、つづられた城内の家臣名などから前橋城の絵図では最古とみられ、初公開となる。絵図の本丸北側に「先年の大雨で、西の河により欠けた」と墨書きした別紙が貼られ、当時から利根川の水害に悩まされていた史実が分かり、興味深い。

他の絵図も水害などで城一帯が年代ごとに微妙に変化し、違いを探しながら見学できる。

市文化財保護課は「絵図を見比べ、城主が在城できなくなるほどの水害にいかに対応してきたかを知ってほしい」と来館を呼び掛けている。二十四、二十五両日は休館。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/20150922/CK2015092202000183.html
参照元記事 / 東京新聞

前橋城の絵図を見学する市民=前橋市で / 東京新聞

前橋城の絵図を見学する市民=前橋市で / 東京新聞

Powered by: Wordpress