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職人途絶えた伝統工芸 八橋人形 後世に / 秋田

職人が1人もいなくなった秋田市の土人形「八橋人形」を再興しようと、市民12人が「八橋人形伝承の会」を結成し、人形作りに取り組んでいる。活動を広く知ってもらうため、11日に市内で講演会を開く。

八橋人形は京都の伏見人形がルーツとされ、秋田市八橋に江戸時代中期から伝わる。素焼きの型に粘土を詰めて成形し、約800度で窯焼きした後、顔料で色付けする。

素朴さが持ち味で、秋田市内ではかつて、男児が生まれると天神を模した八橋人形を飾るなど地域に深く根付いていた。だが戦前に10人ほどいた職人は徐々に減り、昨年3月には最後の職人だった道川トモさんが77歳で亡くなった。

「200年の伝統を簡単に消滅させたくない」。郷土人形収集家で道川さんと親交があった梅津秀さん(66)=秋田市手形=が伝承の会の設立を呼び掛けた。

会はことし4月に発足し、現在の会員は16人。同市八橋本町の空き家を活動拠点「八橋人形伝承館」にする。週3回、道川さんから直接習った経験のある6人が中心となり、道川さんが残した約90種類の型を使って制作している。招き猫や「エビ持ち大黒」など、数十年ぶりに復活する人形にも挑む。

梅津さんは「絵付け体験教室などを通し、忘れかけられた八橋人形を知ってほしい」と語る。

11日午後1時半から伝承館で開く講演会では、梅津さんが八橋人形の歴史や魅力を話す。制作の様子や完成した人形も見学できる。参加費100円。定員30人。申し込みは主催する市民団体「地域マイスターやどめ」のホームページで8日まで受け付けている。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201510/20151007_45003.html
参照元記事 / 河北新報

手作業で八橋人形を制作する「八橋人形伝承の会」のメンバー / 河北新報

手作業で八橋人形を制作する「八橋人形伝承の会」のメンバー / 河北新報

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