伝統文化コーディネーターの下藤です。
9/9は「重陽の節句」です。
この日は、菊に長寿を願う日でした。
重陽の節句は、五節句のひとつで、
別名を「菊の節句」や「九月節句」とも言われます。
※五節句とは、江戸時代に定められた５つの式日（今でいう祝日）のこと
昔、中国では、奇数は縁起の良い陽数、偶数は縁起の悪い陰数と
されていました。
そのため、「９」が重なる9月9日は、一番大きな陽の数が重なる
最高にめでたい日とされ、「重陽の節句」と定められました。
この日は、菊の花を飾り、酒を酌み交わし、邪気を払って、
不老長寿や無病息災、繁栄を願います。
日本へは平安期の初めに伝わり、宮中の儀礼となっていきます。
「観菊の宴(重陽の宴」)として、杯に菊花を浮かべた酒を酌み交わし、
長寿を祝い、「菊」や「長寿」に関する歌合わせ会などが催されました。
重陽の前日の夜に菊に綿をかぶせ、
9日に露で湿ったその綿で体を拭く「菊の着綿（きくのきせわた）」の習慣の
ことが、『枕草子』にも記載されているそうです。
江戸時代になると、
五節句の中で最も公的な性質を備えた行事になっていきます。
また、庶民の間では、「お九日（くんち）」と呼ばれ、
秋の収穫祭とあわせた祭りとして親しまれるようになりました。
長崎くんちや唐津くんちはその名残ともいわれています。
時代は変わっても、夏を乗り越えたこの時期に体調を崩しがちに
なる方が多いのは今も昔も変わりません。
気軽に取り入れられて、
「重陽の節句」を楽しめるオススメを集めてみました。
■菊湯
中国名を「母菊」と呼ばれるカモミール（カミツレ）の入浴剤を使った
ハーブバス浴はいかが？
「ハーブの女王」とも呼ばれるカモミールは、ヨーロッパでは各家庭に
常備されているハーブなんですって。
紫外線や湿気で傷んだ肌、冷房で疲れた身体にもオススメな入浴剤です。
■菊酒
菊酒には主に、菊の香りを移した水や米で日本酒の仕込みをする方法や、
菊の花を漬け込む方法がありますが、食養菊の花びらを２～3枚、
日本酒に浮かべるだけでも、黄色が映えてとっても風流です♪
■菊のお菓子
この時期、和菓子屋さんには趣向を凝らした「菊」を模した和菓子が店頭に
並びます。匠の技が光る 生菓子などをとっておきのおやつの時間に迎えて
みてはいかが？
■栗ごはん
おくんちのように秋の収穫祭と結びついていたことから、秋の旬である
栗をお供えしたり、食べたりする風習がありました。
モンブランも気になりますが、ここはひとつ江戸時代に習って、栗ごはん
を楽しんでみるのもいいですね♪
※市販のむき栗を使うと簡単です
■秋茄子
9月の「9日、19日、29日」は、「三九日（みくんち）」と呼ばれ、
この９のつく日に茄子を食べると、中風（発熱・発汗・咳・頭痛・肩こり
・悪寒）を病まぬと言い伝えられていたそうです。
秋茄子の美味しい時期ですし、
食欲の秋にも安心なカロリーの低い茄子ですから、ぜひ「旬活」レシピ
として、茄子料理をメニューに加えてみては？
昔の知恵をちょっとだけアレンジすると、より季節を楽しめると思います。
ぜひ、お試しを★
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