江戸幕府の8代将軍、徳川吉宗が、日本で初めて測量して作らせた日本地図の原図が、広島県福山市の県立歴史博物館で見つかり、当時の測量方法を知る貴重な資料として注目されています。
今回、見つかった原図は、古地図を集めている福山市出身の男性が広島県立歴史博物館に寄託した古地図およそ850点の中から見つかったものです。
博物館によりますと、江戸幕府の8代将軍、吉宗が命じて、日本で初めて測量しておよそ300年前に作成されたもので、縦1.5メートル、横3.3メートル余りの原図には、本州と四国、それに九州のほぼ正確な位置や形が記されています。
また、全国で203か所定めた基準点から富士山をはじめ目標となる山などに向け赤い線が引かれているのが特徴で、目標の正確な方角を測量したうえで、各藩から提出させた地図を組み合わせて作成したことが、うかがえるということです。
この日本地図は、全国を歩いて測量した伊能忠敬が作成した日本地図より、さらに100年ほど前に作られたもので、幕府の資料に作成の記録が残されていましたが、原図自体の行方は分かっていませんでした。
博物館は、江戸時代、収集家として知られた平戸藩主の松浦静山が所有していたことを示す本人の署名や、「吉宗が作らせた貴重な地図」という書き込みが原図にあることから、他の専門家の鑑定などとともに本物だと判断したということです。
広島県立歴史博物館の久下実主任学芸員は「現存しないと考えられていた原図で新発見だ。当時の測量方法を知るうえでとても貴重だ」と話しています。
この原図は13日から一般に公開されます。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140512/k10014394671000.html
参照元記事 / NHK NEWS WEB