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職人の技で修復を開始 高岡御車山祭・小馬出町の車輪

重要有形無形民俗文化財「高岡御車山(みくるまやま)祭」の山町の一つ、高岡市小馬 出(こんまだし)町が継承する山車(やま)の前輪2輪の修理が16日までに始まった。 金工や木工など伝統技術を継承する富山県内の職人が修理し、始めの工程となる傷んだ部 材の修復作業が氷見市戸津宮の藤岡社寺建築で進められている。小馬出町の車輪の修理は 1973年以来約40年ぶりで、来年3月までに藩政期の姿を取り戻す。

修復作業は金工、漆工、木工、繊維、彫刻の5分野の職人で構成する高岡地域文化財等 修理協会が手掛ける。藤岡社寺建築には装飾の金具を外して一つ一つ解体された部材が運 ばれ、修理協会木工部会副部会長を務める藤岡和嘉代表(45)ら職人が作業に当たった 。

藤岡さんは車輪中心のカブラと、中心部から放射状に配置する矢骨(やぼね)との間に 生じたゆがみを手作業で細かく確認。数ミリ程度の薄い板で隙間を調節した。

長年の使用により、外周の外扇(そとおうぎ)や内扇(うちおうぎ)にも傷みが見られ るため、部材の一部は新調する。藤岡さんは「工芸品である山車の元来の姿を大切にし、 変わらずきっちり仕事するだけ」と表情を引き締めた。

小馬出町の車輪はケヤキ製で直径約1・67メートルあり、桐(きり)や鳳凰(ほうお う)などの飾り金具が車全体に施されているのが特徴。1821(文政4)年の大火で被 災し、車輪は1861(万延2)年に新調、1973年に修理されたと伝わる。

車輪は破損部分を修理した後、漆の下塗りを経て部材を組み立て、鉄輪をはめ込む「焼 きばめ」を行う。黒呂(くろろ)色の漆で仕上げを施し、表面を彩る化粧金具を取り付ける。

http://www.hokkoku.co.jp/subpage/T20140817202.htm
参照元記事 / 北國新聞

カブラと矢骨の隙間を確認する藤岡さん=氷見市戸津宮の藤岡社寺建築 / 北國新聞

カブラと矢骨の隙間を確認する藤岡さん=氷見市戸津宮の藤岡社寺建築 / 北國新聞

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