石文化にスポットを当てた「小豆島 石の文化誕生シンポジウム」(香川県小豆島町など主催)がこのほど、同町福田の福田体育館(福武ハウス)であり、研究者や住民ら約330人は講演などを通して、先人の知恵と技で地域に息づいてきた瀬戸内の石文化について理解を深めた。また、シンポに先立ち、地元の石工3人が約400年前の江戸時代の石割り作業を実演した。
同町は、小豆島など共通の石文化が残る東瀬戸内文化圏の「世界遺産化」を目指しており、シンポはその取り組みの一環。同志社大文化遺産情報科学研究センター長の津村宏臣さんら5人が講演した。
津村さんは、小豆島や瀬戸内海地域はサヌカイトで特徴的な石器を作る「瀬戸内技法」と呼ばれる技術が存在したことを挙げ、「石を活用する文化が現在まで変化しながら続いているのがこの地域の特徴」と指摘し、未来に継承していくことの重要性を強調。このほか、同センター研究員の渡辺俊祐さんは、徳川大坂城築造時に石垣用石材が切り出された天狗(てんぐ)岩磯丁場(小豆島町)先などの海中で2年前から行っている調査について触れ、調査結果をCG(コンピューター・グラフィックス)で発表すると報告するとともに、「巨石を運搬する時などに人が海とどう関わってきたのかを解明したい」と話した。
江戸時代の石割り実演では、重さ約6トンの巨石に19個の穴を手作業で掘り、その穴に棒を打ち込んで割る当時の手法を試したが、雨天だったこともあって、石は割れなかった。見守った見物客らは、当時の石工の苦労に思いをはせていた。
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/culture/20141128000141
参照元記事 / SHIKOKU NEWS