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「四条京町家」が解体危機 資金不足で支援募る

京都市下京区の四条通で京都の生活文化を発信している「四条京町家」が20日に閉館し、売却されることになった。ビルが立ち並ぶ通り沿いでは、104年前の建築当時のまま出格子などが残る唯一の京町家で、NPO法人などが15年間活用してきたが、維持管理が困難になった。来春にも取り壊される予定といい、京の中心部から伝統的な建物が、また一つ姿を消すことになる。所有者は移築する道を模索している。

四条京町家は1910(明治43)年、四条通西洞院東入ルの北側に、鋼材卸商の居宅として建てられた。約330平方メートルの敷地には水琴窟や通り庭、蔵、かまど、井戸が残り、四条通からは一文字瓦や駒寄せが見える。99年に麻製品販売会社「京都麻業」(中京区)の小泉光太郎社長(78)が購入し、一般公開して京の暮らしぶりを伝えていた。

2002年からは市が借りて市伝統産業振興館として運営。年間5万人が訪れる人気スポットになったが、09年、市は財政難などで賃貸契約を打ち切り、いったん閉館した。町家を存続させようと、小泉さんが10年、NPO法人「四条京町家」を立ち上げ、貸しスペースとして再開した。

しかし、多額な固定資産税などから運営が困難になり、同法人は土地と建物を売却し、20日に解散する。小泉さんによると、15年3月末までに町家は取り壊される予定だが、売却先との交渉で小泉さん側が費用を負担すれば全面移築できる。

ただ、移築先の土地の確保はできておらず、費用も不足しているため、支援してくれる有志や団体を募っている。小泉さんは「場所は変わっても、京都の生活文化を伝える京町家を残す道を探りたい。協力していただける人がいたら、ぜひ連絡がほしい」としている。

http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20141211000080
参照元記事 / 京都新聞

104年前のままの出格子が残る四条京町家。現在の所有者らが全面移築の道を模索している(京都市下京区四条通西洞院東入ル) / 京都新聞

104年前のままの出格子が残る四条京町家。現在の所有者らが全面移築の道を模索している(京都市下京区四条通西洞院東入ル) / 京都新聞

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