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「金メダルは輪島塗の箱に」東京五輪公式グッズ採用目指す

石川県の輪島漆器商工業協同組合と輪島市が、2020(平成32)年東京五輪の公式グッズに輪島塗を採用してもらおうと“特命プロジェクト”を進めている。組合の塩安真一理事長は「伝統ある漆を日本の象徴として使ってほしい」と意気込んでいる。

試作したのは直方体の玉手箱のようなメダルケース。つやのある漆黒の表面に、五輪マークや富士山、桜など日本の風景を沈金や蒔絵で描く。以前から制作している宝石入れの箱を応用した。箱内部の敷物には彩りを添えるため加賀友禅を使おうとのアイデアも。

ほかに輪島塗のピンバッジなども制作。組織委員会に人脈を持つ地元選出の国会議員らに猛アタックしている。「アイデア募集が始まってからでは遅い」と話すのは市漆器商工課の細川英邦漆器振興係長。胸には黒い輪島塗製の名札がきらりと光る。

平成19年の能登半島地震以降、復興の象徴として輪島塗の発信の場を模索してきた。そのかいあって20年の洞爺湖サミットでは各国首脳の乾杯の盃に使われた。

一方で人々の生活様式が変化し、バブル期に180億円あった生産額は、今では4分の1以下に。兼業しながらの職人が増えるなど後継者不足の悩みもあり、塩安理事長は「オリンピックで使われたら職人の励みにもなる」と力を込める。

ことし11月に和紙の伝統的な手漉技術が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に選ばれた。和紙と同様、輪島塗も「将来登録されるはず」と地元は期待するが、先行きは不透明。五輪をきっかけに世界にもっとアピールしたいとの思いは強い。

組合は今後も水面下でニーズを探りながら、商品開発を続けていく方針だ。細川係長は「今はまだ何の募集もなく、一方的なラブコールですが、気合は入っています」と熱意を見せた。

http://www.sankei.com/west/news/141225/wst1412250011-n1.html
参照元記事 / 産経WEST

輪島塗で試作されたメダルケース(上)とピンバッジ=石川県輪島市 / 産経WEST

輪島塗で試作されたメダルケース(上)とピンバッジ=石川県輪島市 / 産経WEST

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