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震災で倒壊「旧有備館」復旧完了・岩出山 / 宮城

東日本大震災で損壊した大崎市岩出山の国指定史跡・名勝「旧有備館及び庭園」で、被害が最も大きかった主屋と付属屋の復旧工事が完了し、17日に報道陣に公開された。20~26日、一般公開される。

有備館を象徴する主屋は震災で倒壊。33本の柱のうち30本が折れ、14枚の欄間も10枚が壊れた。炊事場などがあったとされる付属屋は倒壊は免れたものの、礎石からずれ、壁に亀裂が入った。

主屋では壊れた柱と欄間を入れ替えた。再利用可能な柱と欄間は修復し活用。入れ替えた欄間は「古色仕上げ」と呼ばれる手法で黒色に塗り、景観との調和に配慮した。鉄骨を3カ所に入れ、震度6強~7の揺れに耐えられるようにした。

工事の過程で判明した江戸時代の造りを再現した。震災前、縁側の板張りは縦方向に並べる「切目縁」だったが、江戸時代は横に並べる「布縁」だったことが分かり、布縁に戻した。「上の間」の棚も江戸時代の違い棚に復元した。

旧有備館は江戸時代の岩出山伊達家の学問所だった。主屋と付属屋の復旧は13年10月に始まり、ことし3月に終えた。今後、正門と付属屋内の展示施設の復旧に入り、全体の工事完了は来年3月を見込む。総事業費は3億9580万円。

大崎市教委は20~26日午前9時~午後4時、主屋と付属屋を一般公開する。終了後は展示工事のため建物内には入れなくなる。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150418_15011.html
参照元記事 / 河北新報

復旧工事を終えた主屋 / 河北新報

復旧工事を終えた主屋 / 河北新報

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