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魔鏡が映す不倒の神木 京都の職人製作、陸前高田の神社奉納へ

東日本大震災で津波の被害を受けた後も岩手県陸前高田市の今泉天満宮に立ち続ける神木の存在を伝えるため、反射光で神木の姿を映し出す「魔鏡(まきょう)」を京都の若手鏡職人がこのほど製作した。京都市左京区のみやこめっせで保管、展示している。

下京区の山本合金製作所で働く山本晃久さん(39)。ハースト婦人画報社(東京)が編集企画の一環で同社に製作を依頼した。インターネット上で協賛金を募った結果、多くの市民から計150万円の資金が集まり、実現した。

魔鏡は、裏面に絵を彫った鏡の表面を薄さ1ミリ程度まで磨くと、表面にわずかな凹凸ができ、反射光で裏面の絵が浮かび上がる仕組み。もともとは祭祀(さいし)用とみられ、一部の寺や博物館などが所蔵している。現在も製作を続けているのは全国で同社だけという。

今泉天満宮は、津波で社殿が流失するほどの被害を受けたが、神木は倒れずに残った。魔鏡は、山本さんが現地を訪れるなどして1年がかりで製作に成功した。直径は33センチ。同社が過去に製作した中で最大だったため、鏡面を均等に磨くのに苦労したという。

山本さんは「魔鏡の存在が話題になることで、早期の復興に役立てばうれしい」と話す。今泉天満宮に奉納するための準備を始めている。

http://www.kyoto-np.co.jp/sightseeing/article/20150915000088
参照元記事 / 京都新聞

東日本大震災からの復興を願い、山本さんが製作した魔鏡。光をあてると壁に神木の映像が浮かび上がる(京都市左京区・みやこめっせ) / 京都新聞

東日本大震災からの復興を願い、山本さんが製作した魔鏡。光をあてると壁に神木の映像が浮かび上がる(京都市左京区・みやこめっせ) / 京都新聞

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