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『春画』展 銀座、永井画廊でも開催

大名や豪商だけでなく、江戸の庶民も大いに春画を眺め、艶本(えほん)を読んでいた。八代将軍・徳川吉宗の治世に好色本禁止令(1722年)が出された後も、春画・艶本は公然の秘密として販売され、人々も貸本屋を通じて楽しんだりした。現代で言えばレンタルビデオ屋さん、だろうか。

東京・銀座の永井画廊でもいま、「銀座『春画』展」が開かれている。春画・艶本が社会にどう受容されてきたのかを、原画もまじえて紹介するもので、国際日本文化研究センター特任助教の石上阿希さんが監修を担当。「永青文庫の春画展をより深く理解するための、“補完”ができれば」と話す。

浮世絵師らも実名で描けない代わりに、絵の中にヒントを入れるなど工夫していたようだ。艶本『枕辺深閨梅(ちんぺんしんけいばい)』には猫と自分の後ろ姿。猫好きで知られる歌川国芳の仕業だ。

葛飾北斎作画による異色の艶本『萬福和合神(まんぷくわごうじん)』を、読み解いてゆく展示が面白い。同じ年の女性2人の性遍歴を描いた波瀾万丈の物語だが、根底には男女の和合により福がもたらされるという、日本古来の考え方がうかがえる。

12月23日まで、会期中無休。入場料1000円。18歳未満は入廊禁止。問い合わせは(電)03・3547・9930。

http://www.sankei.com/life/news/151001/lif1510010018-n1.html
参照元記事 / 産経ニュース

歌川国芳『枕辺深閨梅』色摺中本三冊、天保9(1838)年、立命館大学蔵 / 産経ニュース

歌川国芳『枕辺深閨梅』色摺中本三冊、天保9(1838)年、立命館大学蔵 / 産経ニュース

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