長崎くんち(7~9日)にちなみ、特集展示「くんち三八一年展」が長崎市立山1丁目の長崎歴史文化博物館で開かれている。今年が戦後70年の節目であることから、初めて戦時中のくんちの様子に焦点を当てた。
同館の白木菜保子研究員によると、1634年に始まった同市の諏訪神社の例祭・長崎くんちは、過去には戦争や流行病などで延期や中止になることもあった。戦時中はくんちの担い手になる若い男性が少なく、奉納踊りを取りやめる踊り町があった一方、時局を敏感に感じ取った出し物をする踊り町もあった。
第1、2次世界大戦中や戦後などの古写真や衣装、ポスターなど50点を展示。江戸町の軍服をまねた子どもの衣装や、本古川町の軍艦の曳(ひき)物を写した絵はがきといった戦時中の雰囲気を物語る資料が並ぶ。
ほかに、江戸時代の絵師・石崎融思による当時のくんちの様子を漢詩と絵で伝える掛け軸、戦後大黒町など3地区が連合し「驛前(えきまえ)町」として1953年に30年ぶりに唐人船を復活させた時の衣装などが並び、時代によって変わるくんちの表情を紹介している。白木研究員は「くんちが紆余(うよ)曲折がありながらも継続してきたことを見てほしい」と話している。
展示は19日まで。11日~11月3日に同館1階ホールで今年のくんちの速報写真展も開く。
http://www.nagasaki-np.co.jp/news/kunti/2015/10/06102231.shtml
参照元記事 / 長崎新聞