手紙は、その時代のいちばん速いものに載せて運ばれた。走る、馬を駆る、汽車、電車、飛行機…。郵便は、モータリゼーションの進化の歴史でもあるのです」
明治時代、人力で郵便物を運んだ赤い「人車」の展示前で、主席研究員、井上卓朗さん(59)はこう語った。そして、今度は小さなはかりを指さした。「一見、どう使うか分からないでしょ」
手のひらに乗る小さなヒョウタン型の板は曲線部に目盛りがある。「重さも重要なのです」。書状をぶらさげ、重さを測る道具だという。
アナログからデジタルへ、郵便は計量の歴史でもあった。
■電信機など400点
昨夏に閉館した東京・大手町のていぱーく(逓信総合博物館)が生まれ変わり、東京スカイツリータウンに今月1日に開館。1854年、黒船で来航したペリー提督が幕府に献上した米国製のモールス電信機や、森鴎外の直筆手紙など約400点が並ぶ。
常設展示の目玉、世界の33万種の切手は日本最多のコレクション。日本コーナーで郵便制度が始まった「明治4年」の引き出しをそっと開くと、和紙に朱色の切手が並んでいた。目を凝らすと、切手一枚一枚の極細の線が鮮やかで、鉄筆で版木に手彫りした凹版印刷の技師の存在を感じる。
(全文はこちら)
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140320/tky14032023040007-n1.htm
参照元記事 / msn産経ニュース