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筑波大、湯島聖堂孔子像を復元 3日から公開

湯島聖堂(東京都文京区)に開学の起源を持ち、聖堂ゆかりの美術品の研究に取り組む筑波大学(つくば市天王台)は、焼失した聖堂本尊孔子像を彩色復元した。「学問発祥の地、湯島聖堂と筑波大の深い関わりを世に示すきっかけとしたい」と同大。孔子像は3日から、聖堂に飾られていた狩野派絵画などと一緒に同大付属図書館で一般公開される。

筑波大の前身、東京教育大は、湯島聖堂に隣接する昌平坂学問所跡に開校した東京師範学校にさかのぼる。

筑波大付属図書館で2000年、江戸時代の狩野派を代表する絵師、狩野探幽筆の「野外奏楽図」「猿曳図」びょうぶ、江戸前期の美術品が数多く発見された。調査・研究の結果、美術品が同大の起源ともいえる湯島聖堂に飾られていたことが分かった。

以後、同大芸術系の教官が中心となって、日本の儒教美術や聖堂ゆかりの美術品の復元に本格的に取り組んできた。

孔子像の彩色復元の試みは、同大の芸術系が他の学部と組んで、約10年前から進められた。幕末の日本画家渡辺小華の孔子図などを基にコンピューターグラフィックスを駆使して立体像を再現。実際には乾漆の技法で高さ約63センチの像を完成させた。制作は彫刻家の柴田良貴芸術系教授が担い、彩色は日本画家の程塚敏明同准教授が手掛けた。

一般公開では孔子像のほか、探幽筆のびょうぶなどを展示する。

一般公開を主導した同大の守屋正彦芸術系教授は「漢字文化圏は孔子の文化でもある。孔子の考え方はグローバルな文化の中で東洋の種として重要。孔子像や聖堂ゆかりの美術品を大学の強みとして活用していきたい」と話した。

同展は12日まで。

 
湯島聖堂
孔子をまつった孔子廟(びょう)。江戸幕府5代将軍徳川綱吉の命で1690年、儒学の振興のため、上野忍岡の林家私邸にあった廟殿と林家の家塾(学問所)を湯島に移し、聖堂とした。学校教育発祥の地とされる。

 
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14279877894255
参照元記事 / 茨城新聞

彩色復元された湯島聖堂本尊孔子像=つくば市天王台の筑波大学付属図書館 / 茨城新聞

彩色復元された湯島聖堂本尊孔子像=つくば市天王台の筑波大学付属図書館 / 茨城新聞

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