Exhibition

花火、狼煙 江戸のワザ すみだ郷土文化資料館で特別展

隅田川花火大会を前に、すみだ郷土文化資料館(墨田区向島二)で花火に関する資料を集めた夏恒例の特別展「武士の火術稽古(かじゅつけいこ)と江戸の花火」が開かれている。八月三十日まで。隅田川花火大会は七月二十五日(雨天時は二十六日)に行われる。

江戸時代に砲術を専門とした武士が行った狼煙(のろし)の訓練と、花火技術の発展を示す文書や浮世絵など合わせて三十九点を展示。中でも硫黄や鉄といった火薬の配合を示した「安藤流花火之書」(一六八一年)は、現存が確認されているものでは最も古い花火の技術書とされている。一八〇〇年代の砲術の技術書からは、狼煙と打ち上げ花火の技術が酷似していることが読み取れるという。

学芸員の福沢徹三(てつぞう)さん(43)によると、江戸時代半ばまでの花火は「現在のロケット花火のように、吹き出し口から火花を噴射する『打ち出し花火』だった」という。

時代が下り、江戸後期の浮世絵画家・五雲亭貞秀(ごうんていさだひで)作の「東都両国ばし夏景色」(一八五九年)では、船の上から打ち上げられた花火が大きく円形に開く様子が描かれている。

福沢さんは、花火の技術が進歩した背景に「砲術を専門とする武士の狼煙の技術が影響を与えた」と分析する。

十二、二十六、八月二の各日午後一時半から三時まで、花火の色や音の仕組みなどを分かりやすく解説する連続講座「花火のサイエンス」が開かれる。講師は足利工業大の丁大玉(ていたいぎょく)教授(煙火学)。受講料は入館料込みで一回四百円。

高校生以上百円。月曜日、七月二十八日、八月二十五~二十七日休館。問い合わせは資料館=電03(5619)7034=へ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150711/CK2015071102000119.html
参照元記事 / 東京新聞

狼煙の訓練の様子を描いた浮世絵や技術書の展示も=墨田区で / 東京新聞

狼煙の訓練の様子を描いた浮世絵や技術書の展示も=墨田区で / 東京新聞

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