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有馬温泉の紙芝居 不思議な魅力に立ち見続出 / 神戸

不定期ながら有馬温泉(神戸市北区)で上演される街角紙芝居が話題になっている。ブラックユーモアをまぶした物語、突拍子もない展開、一癖ある絵が、まか不思議な魅力を放ち、立ち止まって見入る人が続出している。

同市北区の紙芝居師山本キオナ(本名・直樹)さん(37)。

和歌山県御坊市の出身。プロの和太鼓グループで活動していたが、背中を痛め演奏活動が出来なくなった。有馬温泉の旅館で働きながら、同市長田区の道場で剣舞を習ったが、今度は足や腰を痛めた。

「目標を見失い、無気力な生活していた」(山本さん)ところ、本屋で何気なく手にした絵本に衝撃を受けた。

米国の絵本作家エドワード・ゴーリーの「不幸な子供」。絵本という体裁をとりながら、読む人に不気味や不条理などさまざまな負の感情を抱かせる作風に強く引かれた。

兵庫県三田市で絵本の読み聞かせボランティアをするうち、創作の思いが募り、「描いてすぐ人に見せられる」と、4年前に独学で紙芝居を始めた。

これまで71本を創作。絵は水彩で、点描も取り入れて多彩な色を使う。擬人化したキツネやアライグマ、カエルなどの動物が多く登場する。地球に攻めてきた宇宙人と戦ったり、ハロウィーンパーティーで子どもに悪さをする骸骨をやっつけたりする。奇想天外な展開がうりだ。

「白黒はっきりした話ではなく、あいまいな部分を残し、お客さんに考えてもらえるようにしているのがこだわり」と話す。

有馬温泉に伝わる昔話「クモの滝」や、三田市の民話「のんのんさん食べなはれ」を題材にした作品もある。

「紙芝居の面白さは、テレビでは味わえない臨場感やお客さんとの生のやりとり」といい「音楽なども取り入れ、紙芝居の可能性を追求したい」と意気込む。

有馬温泉で催しがある日を中心に街頭に立つ。ブログで上演予定などを告知している。ブログは「紙芝居師 キオナの日記」で検索できる。

http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201508/0008339224.shtml
参照元記事 / 神戸新聞NEXT

紙芝居を披露する山本キオナさん=神戸市北区有馬町 / 神戸新聞NEXT

紙芝居を披露する山本キオナさん=神戸市北区有馬町 / 神戸新聞NEXT

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