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杉原千畝氏資料と群馬・上野三碑 記憶遺産候補に決定

国連教育科学文化機関(ユネスコ)の国内委員会は二十四日、二〇一七年の登録を目指す記憶遺産の候補として、第二次大戦中に「命のビザ(査証)」で多くのユダヤ人を救った外交官・故杉原千畝(すぎはらちうね)氏の資料(杉原リスト、所在地・岐阜県)と、日本最古の石碑を含む古代石碑「上野三碑(こうずけさんぴ)」(群馬県)を選定した。三~六月に全国から公募した十六件の中から選んだ。

候補に選ばれた二件は、所在地の自治体などが来年三月にユネスコに登録を申請。一七年夏ごろに開かれるユネスコの国際諮問委員会で登録の可否が審査される。

十六件には、ほかに江戸時代に伊能忠敬(いのうただたか)が作った日本地図(所在地・千葉県香取市)や、原爆文学の資料(広島市)、特攻隊員の資料(鹿児島県南九州市)などが含まれていた。

審査は二年に一度行われる。一度の審査に申請できるのは一国二件までのため、国内委が候補の絞り込みを担っている。

登録済みの日本の記憶遺産は「山本作兵衛炭坑記録画・記録文書」と「慶長遣欧使節関係資料」、藤原道長の自筆日記「御堂関白記(みどうかんぱくき)」の三件。ことしは十月四~六日に、大戦後のシベリア抑留の資料と国宝「東寺百合文書(とうじひゃくごうもんじょ)」が審査を受ける。

 
<上野三碑>

いずれも群馬県高崎市にある国特別史跡の石碑で「山上(やまのうえ)碑」「多胡(たご)碑」「金井沢(かないざわ)碑」。7世紀後半から8世紀前半にかけて建てられた。碑文には朝鮮半島からの渡来人の影響が認められるという。いずれも高さ1・2~1メートル程度。

山上碑は僧が母の供養のために建立したとされる。多胡碑は、当時の多胡郡の建郡を記念。金井沢碑は古代の豪族の子孫が祖先などを供養する目的とされ、この地での仏教の広がりを示している。

 
<記憶遺産>

世界遺産、無形文化遺産と並ぶ国連教育科学文化機関(ユネスコ)の三大遺産。歴史的な文書や絵画、映像フィルムなどを保護し、デジタル技術などを使い広く公開することを目的に、1997年に登録が始まった。登録に際しては真正性や完全性、適切な保存管理計画の有無などが審査される。登録済みの遺産は301件(2014年1月時点)。

 
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015092402000242.html
参照元記事 / 東京新聞

杉原千畝氏が手書きした査証が記載されたパスポート / 東京新聞

杉原千畝氏が手書きした査証が記載されたパスポート / 東京新聞

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