生漆の生産量日本一を誇る二戸市浄法寺町の漆かき用具の製作を担ってきた鍛冶職人中畑文利さん(71)=青森県田子(たっこ)町=は、特殊な用具作りの技術を後進に伝えている。浄法寺町で使われる道具は全て中畑さんが製作しているが、高齢などを理由に経歴50年の技を伝授することを決意した。
31日は自宅の製作所で、東京都西東京市で彫刻刀などを製作している製造業・小信(このぶ)の職人斉藤和芳さん(67)と禰寝(ねじめ)遥さん(31)にかんなやへらの作り方を指導した。
中畑さんは漆かき用具製作で唯一の国選定保存技術保持者。浄法寺町の道具製作を一手に引き受けるが、高齢で目が不自由になったことなどから、技術を絶やしてはいけないと今回の研修を実施した。
中畑さんは「自分は漆文化の小さな歯車。自分の技が途絶えたら全てが止まってしまうので、継承してくれる人がいるのは本当にありがたい。なんでも伝えたい」と、文化の支え手としての使命を果たす覚悟だ。
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参照元記事 / 岩手日報