昔ながらの製塩技法を今に伝える香川県宇多津町の復元塩田釜屋で9日、恒例の初釜神事が行われた。参加者は良質な天然塩の生産などを祈願した後、製塩職人が海水を天日にさらして作ったかん水の入った平釜に火を入れ、今年の塩作りをスタートさせた。
復元塩田は、塩のまち・宇多津の歴史と伝統を後世に継承していこうと、町が1988年にうたづ臨海公園内に整備した。砂地に海水をまき、天日で乾燥させて塩分濃度の高いかん水を作り、釜で煮詰めて塩の結晶を得る「入り浜式」を再現している。
この日は、谷川町長や製塩職人ら約20人が作業の安全などを祈願した後、塩分濃度を18%程度にまで濃縮した約800リットルのかん水が入った平釜に点火した。作業に当たった職人4人は約4時間かけて、あくを取ったり、煮詰まり具合を確認したりして、約100キロの天然塩を仕上げた。
天然塩はミネラルを多く含み、まろやかな味わいが特徴。例年通り年間約2トンを生産する予定で、町特産の「塩キャラメル」や「塩ラーメン」などの製造に利用する。谷川町長は「日本一おいしい天然塩と思っている。入り浜式塩田の伝統を残していきたい」と話していた。
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参照元記事 / SHIKOKU NEWS