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東照宮祭のお囃子復活 8日、名古屋能楽堂で3曲披露

かつて名古屋最大の祭りだった「東照宮祭」で、山車を引くときに奏でられたお囃子(はやし)の一つが復活する。米軍の空襲で山車が焼失し、戦後はお囃子もなくなったが、山車祭りのプロ集団「二番永田組」(東区)などが再現。八日午後二時半から名古屋能楽堂(名古屋城正門前)で披露される。

徳川家康をまつる東照宮(現在は中区丸の内二)の祭りは、家康が亡くなった二年後の一六一八年の命日に始まり、翌年から山車が出るようになった。戦前は「名古屋祭」と呼ばれ、富裕商人が住んでいた上長者町や桑名町など地区ごとに九台の山車が繰り出し、それぞれお囃子もあった。

しかし、一九四五(昭和二十)年の名古屋空襲で山車は九台とも焼失。戦後、東照宮祭が再開しても山車がないため、お囃子も廃れてしまった。

今回復活するのは、現在の中日病院の北側を東西に走る京町筋(現在の中区丸の内三)のお囃子。この地区では山車を失った後、お囃子だけでも伝承しようと作られた譜面や、演奏の録音テープが残っていた。

四年前、やはり東照宮祭の七間町のお囃子復活に関わった映画監督の森零(ぜろ)さん(50)=西区=と「二番永田組」、お囃子を研究する古美術商の木村哲央さん(48)=千種区=が協力し、譜面と録音を基に正確な再現にこだわった。国の補助金を活用した市教委の事業として行われた。

披露されるのは山車を引いたり、回転させたりする際に奏でる曲、からくりを動かす時のものなど三曲。太鼓や竹笛で演奏される。森さんは「名古屋には空襲で失われた文化がたくさんある。少しずつ取り戻していくことが市民の誇りにつながる」と話している。

当日は復活の過程を森さんが記録した映像も上映される。入場無料。(問)名古屋活動写真=052(581)1201

http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20150307/CK2015030702000052.html
参照元記事 / 中日新聞

お囃子のけいこをする「二番永田組」のメンバーと木村哲央さん(右から3人目)ら=名古屋市千種区で / 中日新聞

お囃子のけいこをする「二番永田組」のメンバーと木村哲央さん(右から3人目)ら=名古屋市千種区で / 中日新聞

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