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現代アートと伝統芸の競演 吉原地区で4日から芸術祭

現代アートと伝統芸能を融合させた芸術祭「吉原芸術大サービス」が五月四~六日、台東区千束の吉原地区で行われる。「江戸遊郭で栄えた街に新たな風を」という地元住民らの願いを受け、若手アーティストたちが競演する。今年で三回目。 (丹治早智子)

きっかけは数年前。古くから遊女らの信仰を集めた弁財天の改修を、近くのアトリエで創作活動をしていた若者たちが手伝った。長年風雨にさらされ、今にも朽ち果てそうだった境内のほこらに壁画や彫刻を施し、数カ月かけてよみがえらせた。

これを機に、街のイベントに招かれるなど、若者たちと住民との交流が始まった。

江戸の遊郭で栄えた吉原は、現在は都内最大の風俗店街で知られる。その一方で、周囲には江戸文化や風情を残す名所、旧跡が多く、近年は人気の歴史散策スポットにもなっている。

「街全体を使って作品展を開いたらどうか」。一人の町会長の提案が、芸術祭につながった。「何でも受け入れてくれる街の人々の懐の深さが最高の魅力」と実行委員長の美術家阿部圭佑さん(26)は言う。

会場は、吉原弁財天、吉原神社、吉原最後の料亭「金村」(現・桜なべ中江別館)、メーン通りの駐車場など。絵画展、朗読とパフォーマンスが合体した作品、段ボール製の球体の小さな茶室での茶会、落語や小唄など古典芸能と現代芸術との競演など、個人とグループあわせて二十三の表現者が参加する。

芸術祭で社殿などを開放する吉原神社の千村義和宮司(67)は「若者の作品、パワーには驚かされる。かつて江戸の遊郭でさまざまな文化や芸術が育まれたように、若いアーティストたちが新たな歴史を重ねていくのも面白い」と話す。

鑑賞は一部有料。最終日の六日午後六時半から弁財天近くの花園公園で、映画監督柴田剛さんの「おそいひと」を特別上映(入場無料)。詳細は吉原芸術大サービスのホームページで。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150501/CK2015050102000118.html
参照元記事 / 東京新聞

今回初参加「茶番組合」の作品、都市型漂流茶室「接宙庵」(「茶番組合」提供) / 東京新聞

今回初参加「茶番組合」の作品、都市型漂流茶室「接宙庵」(「茶番組合」提供) / 東京新聞

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