Exhibition

「今竹七郎展」遊び心あるデザインの数々 西宮で企画展

戦前から関西を拠点に活躍した日本のモダンデザインの先駆者、今竹七郎(1905~2000年)。ナース姿の少女を描く「メンソレータム」のトレードマーク、輪ゴム「オーバンド」のパッケージなど数多くの商業デザインを手掛けた。その生涯と作品を紹介する企画展が、西宮市大谷記念美術館(同市中浜町)で開かれている。ポスターや商品など約100点をほぼ時系列に展示。遊び心ある造形美学を紹介する。

神戸で生まれ育ち、長年、西宮に暮らした。1927(昭和2)年に神戸大丸に入店。意匠部で広告デザインなどを担当した。このころのポスターは、敬愛した抒情画家・竹久夢二の美人画の影響がうかがえる。30年には大阪高島屋へ移籍。多彩な仕事をこなし、自らの作風を築いた。

41年、太平洋戦争開戦の直前に制作したポスター「松竹少女歌劇 秋のをどり」は、日本髪の乙女を素朴なタッチで表現。手描き風の絵に温かみがあり、戦争の影を感じさせない。一方、雑誌「NIPPON」や絵本「陸軍少年飛行兵」の表紙絵の題材は、兵士や軍用機で戦時色が明らかだ。

戦後は自らの事務所を設立。関西電力の社章、プロ野球・南海ホークスのシンボルマーク、白鶴酒造のパッケージなどを次々と発表した。東京へ拠点を移すデザイナーも少なくなかったが、今竹は終生、関西にこだわった。モダンでシンプルな作品もあるが、多くにはユーモラスな感覚や人間味が漂う。

同館の下村朝香学芸員は「名は知らなくても、デザインを目にしたことがある人は多いはず。西宮にこんなデザイナーがいたことを知ってもらえたら」と話している。

「阪神間で活躍したグラフィックデザイナー 今竹七郎」展は8月2日まで。「具体の画家-正延正俊展」と併催。水曜休館。一般500円。阪神香櫨園駅から徒歩約10分。同館TEL0798・33・0164

http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201506/0008135870.shtml
参照元記事 / 神戸新聞NEXT

「白鶴」「オーバンド」など今竹デザインの商品パッケージやマークの数々=西宮市大谷記念美術館 / 神戸新聞NEXT

「白鶴」「オーバンド」など今竹デザインの商品パッケージやマークの数々=西宮市大谷記念美術館 / 神戸新聞NEXT

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