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着物アドバイザー坪井先生の「キモノのツボ」(8) 着物12ヶ月の着こなし【8月編】 / denmira blog

こんにちは!
着物アドバイザーの坪井梨絵子です。

先日、初めて熱中症のようなもの(軽症)を経験しました。
水は飲んでいたのですが、どうも塩分が足りなかったようです。
朝晩がだいぶ涼しくなったとはいえ、皆さんもお気を付け下さいね。

 

さて、7月には絽の着物を取り上げましたので、
8月は浴衣について書こうと思います。

前回のビギナー講座で、普段着浴衣についてすでに書いていますが、
今回はもう少し具体的に。

 

イベントファッションではなく普段着として着るなら、
極端に安い物は避けた方がいいと思います。

ペラペラした生地の上に柄がペタッとプリントしてあり、
洋服に例えるならば、パーティーグッズに近い印象のもの
が多いです。

もちろん全ての安い浴衣にあてはまるものではないですし、
案外着こなせてしまう方もいますから、
ご自分で見た感じで判断してくださいね。

 

私も学生時代、
某百円ショップのキャミソールなど着ていたことがありますし。
(でも不思議なもので、
加齢とともに安物が似合わなくなってくるのですね・・・おそろしい)

逆に夏祭りなどイベント用であれば、
お手頃浴衣を何枚か持っていると違ったコーディネートが楽しめて、
むしろお勧めですよ。

 

それから、
少しきちんとした雰囲気を出したいときに便利なのが衿芯です。

どうするのかと言いますと、
浴衣の衿にじかに差し込むんです。

普通の仕立てであれ共衿内側の縫い目を少しほどき、
激安品は縫い目がなかったりするので布地をちょっぴり切り開きます。

 

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そして衿芯をIN。
そうすると衿の形が綺麗に決まるんですよ。

使う衿芯は安物の薄いタイプにしてください。
高級品はしっかりしすぎていて、
浴衣や普段着に使うと衿だけ気合の入った形になってしまい、
大変不自然です。

畳んだ新聞紙でもいいくらいです。

 

ただ、普段着としては便利な技ですが、夏祭りや花火などでは
私は使わないですね。

湯上りにくつろぎ着で花火を楽しむ
という原型を考えると、
やはり肩の力を抜いた着こなしが粋かなあ
と思ってしまうもので。

これは個人のこだわりですからね、念のため。

 

それと、
お祭りじゃない時に裸足はちょっと・・・という方には、
レース足袋がなかなかお勧めです。

レースのフットカバーが足袋型になったようなもので、
暑苦しくなくていいですよ。

もちろん普通の木綿の足袋でも大丈夫です。

足袋を履く場合、つるつるした下駄は滑る場合があるので、
事前に試してからお出かけしてくださいね。

 

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1枚目はお祭り仕様2枚目が日常仕様つもり
合わせたものです。

ただ帯の色を変えただけですが、
何となく、1枚目は団扇(うちわ)で
2枚目は扇子が似合いそうな感じがしませんか?(強引ですかね)

 

普段着として浴衣を着るなら、
着物を着るのと同じ感覚で色を決める
「あら、これからお祭りに行くの?」
と聞かれることがあまりなくなります。

(完全になくなることは残念ながらありません。
夏+和服=お祭り、という方もいますので・・・)

 

もちろん、1枚目だって間違ったコーディネートではありませんから、
こちらの色合わせが好みの方は堂々と着てくださいね。

せっかくの浴衣、夏の終わりまで活躍させてあげましょう。

 

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坪井 梨絵子(ツボイ リエコ)
着物アドバイザー
イラストレーター
日本伝統文化コーディネーター
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でんみらブログ(2015.8.17)
http://blog.denmira.jp/?eid=292

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