Event

艶やかに花魁舞う 浅草で11日「吉原道中」

台東区浅草の一葉桜小松橋通り(浅草四~六)で十一日、恒例の豪華絢爛(けんらん)な「江戸吉原おいらん道中」が披露される。今年は特別ゲストとしてお囃子(はやし)の望月太左衛(たざえ)社中と女優の丹阿弥(たんあみ)谷津子さんを迎え、吉原遊郭廃止後、しばらく地元料亭で開かれていた「花魁(おいらん)ショー」を、生演奏や朗読を交えて本格的に再現する。

おいらん道中は江戸時代、吉原遊郭の最高位である花魁が、禿(かむろ)や新造、傘持ちなど世話役を従えて練り歩いた郭内最大のイベント。吉原では一九五八年の売春防止法全面施行で遊郭が廃止された後、作家久保田万太郎の助言で料亭「松葉屋」が生演奏や踊り、所作など花魁のショーとして引き継いだ。一時、浅草観光の目玉として、はとバスコースにもなっていたが、九八年、店の廃業で途絶えた。

吉原遊郭に近い小松橋通りで再び、道中が披露されるようになったのは江戸開府四百年を迎えた二〇〇三年。地元馬道地区町会連合会が「一葉桜まつり」の一環として始め、住民有志が花魁などにふんする。松葉屋のショーも復活させたいとの機運が高まり、邦楽家の望月太左衛さんと弟子たちで、残されていた松葉屋での音源をもとに花魁を意味する長唄「傾城」などを演奏することになった。

元松葉屋にいた舞踊家松本錦紫さんが花魁舞、元吉原芸者の二三松さんが二調鼓を披露する。丹阿弥さんが久保田万太郎が代書したという「松葉屋のごあいさつ」を読み語る。

望月さんは「遊郭では、音楽や文芸など、独特の江戸文化が生まれたと聞く。今回はその粋な世界の一端を、目と耳で楽しんでもらえれば」と話す。

おいらん道中は午後一時、同区浅草四の千束小学校を出発。その後、小松橋通りにある浅草警察署近くに設けられる特設舞台で「花魁ショー」を披露する。「一葉桜まつり」では、地元の小学生や園児らによるパレードもある。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150407/CK2015040702000110.html
参照元記事 / 東京新聞

望月太左衛社中の演奏に合わせ、花魁舞を稽古する松本さん(右)=台東区千束で / 東京新聞

望月太左衛社中の演奏に合わせ、花魁舞を稽古する松本さん(右)=台東区千束で / 東京新聞

Powered by: Wordpress