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熊野を舞で表現 八咫の火祭りで披露 / 和歌山

日本舞踊「藤紀流」の2代目家元、藤紀実美さん(35)=本名・中住麻美さん、和歌山県新宮市三輪崎=は、平安後期の歌謡集「梁塵秘抄」の舞を創作した。曲を付けたのは三重県熊野市出身のシンガー・ソングライター、榎本有夏さん(24)。29日夜に和歌山県田辺市本宮町である八咫の火祭りでお披露目する。

熊野を舞で表現しようと、「梁塵秘抄」に目を付けた。熊野に34回詣でた後白河上皇(1127~92)の選による歌謡集で、そこに収められた今様の歌謡を御幸にお供した遊女「白拍子」が歌い、舞ったという。歌詞はいくつか残っているが、舞や曲は定かでないことから、創作することにした。

残っている歌詞のうち、「神の家の子 公達は」で始まる御子神の歌、「熊野へ参るには」で始まる紀伊路と伊勢路の歌、「熊野へ参らむと思へども」で始まる歌の「熊野」を題材にした三つを合わせ、これに榎本さんが曲を付けた。榎本さんはピアノの弾き語りで東京を拠点に活動しており、熊野をテーマにした曲も数々作っている。今回の曲は「後白河上皇がどんな気持ちで歌を作ったか、熊野を詣でた人々はどんな気持ちで歩いたのかなどを想像しながら作った」という。

この歌に合わせ藤紀さんが舞の振り付けを考えた。「神聖な場所に溶け込める透明感のある雰囲気に仕上げた」と話す。

完成した歌のタイトルは「梁塵秘抄~熊野の歌」。約8分の歌で、お披露目当日は、榎本さんのピアノ演奏と歌声に合わせ、藤紀さんが舞う。

八咫の火祭りの後は、熊野を訪れた観光客の前で舞うなどしてPRしていきたいという。

http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=300408&p=more
参照元記事 / AGARA紀伊民報

藤紀実美さん / AGARA紀伊民報

藤紀実美さん / AGARA紀伊民報

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