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粋な「水芸」屋外で初披露 来月10、11日に両国で伝統祭

江戸庶民を喜ばせた伝統芸能の祭典「大江戸両国・伝統祭」が十月十、十一の両日、墨田区両国で開かれる。見せ物小屋でにぎわった盛り場の熱気を再現するイベントとして始まり、今年は十回目。出演者の体や小道具から水が噴き出す「水芸」が、初めて屋外で披露される。

隅田川に逃げ場を阻まれて多くの犠牲者が出た明暦の大火(一六五七年)を教訓に架けられた両国橋。そのたもとの防災広場「火よけ地」は、見せ物小屋が集まる江戸随一の盛り場となった。そうした歴史を継承する「江戸に生きる会」などによる実行委員会が毎年開く伝統祭では、手妻(てづま)と呼ばれる古典奇術や殺陣(たて)などが演じられる。

手妻の一種の水芸は、明治時代に芸で使う大掛かりな装置を備える劇場がなくなるなどして徐々に衰退。一九六四年ごろに演じる人はいなくなったが、約二十五年前、江戸の手妻の第一人者とされる藤山新太郎さん(60)が復活させた。

水芸は風の吹く場所では演じるのが難しい。藤山さんは第二回の伝統祭で水芸を演じたが、この時は主会場の屋外ステージとは別に室内会場を借りた。今回は十回目の記念イベントで「難しいことに挑戦したい」とあえて屋外で水芸を見せる。弟子とともに約十分間の妙技を披露する。

十六日に記者会見した藤山さんは「ストーリー仕立てになっていて、江戸時代の日本人の人生観が表れている。大勢の人に楽しんでほしい」と話した。

「伝統祭」では相撲甚句や大道芸、銭太鼓などの演目を予定。会場は、両国シティコアセンタープラザ特設舞台(JR両国駅徒歩三分)。開場時間は十、十一日とも午前十一~午後五時。水芸は両日とも午後一時、午後四時からの二回。入場無料。雨天中止。問い合わせは事務局=電03(3814)6868=へ。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150917/CK2015091702000158.html
参照元記事 / 東京新聞

今回初めて屋外で催される水芸=墨田区で(事務局提供) / 東京新聞

今回初めて屋外で催される水芸=墨田区で(事務局提供) / 東京新聞

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