Event News

檜原の伝統芸能を移住の若者が継承 あすから神社例祭で披露 / 東京

檜原村の人里(へんぼり)地区に江戸時代後期から伝わり、今年三月に都無形民俗文化財に指定された「人里の獅子舞」が十九、二十の両日、村の五社神社の例祭で披露される。村から「地域おこし協力隊員」を委嘱されたばかりの小西久司さん(39)ら、村外から移り住むなどした若者三人が初参加。集落の人たちの指導を受け、伝統の三匹獅子に挑戦する。

檜原村の獅子舞は、三人の演者が頭に獅子頭を固定し、腹部に付けた太鼓をたたきながら、笛や唄(うた)に合わせて舞う。同様の三匹獅子は、周辺の八王子市や奥多摩町などにも伝わり、村内でも各地域で行われる。

なかでも藤倉と数馬地区の獅子舞は、江戸時代の発祥を伝える古文書をもとに一九八五年、都無形民俗文化財に指定されたが、人里の獅子舞は、古文書がなかったため指定が遅れていた。今年の指定の決め手となったのは、山梨県上野原市の集落で見つかり、人里からの獅子舞伝授を伝える古文書だった。

獅子舞や神楽など伝統芸能が多い村は、過疎と高齢化で継承が課題だ。人里の獅子舞に初参加したのは、八月末に移住した小西さん、二年前から村に入り、宿泊用ゲストハウスを運営する鈴木健太郎さん(32)、人里に祖母が住み、あきる野市から村内の林業会社に勤める中村俊貴さん(26)。

ゲストハウスのイベントなどで、以前から知り合いだった三人は、集落の人たちから別々に誘われた。十一ある演目のうち、皮切りとして舞台を清める「にわがため」を舞う。練習は、例年通り今月一日に開始。獅子舞を伝承する奉賛会の高木一雄会長(67)は「最初は大丈夫かと心配したが、連日の練習で進歩した。若い人たちが継承してくれるのはありがたい」と話す。

「何とか形になってきた」と笑う小西さんは「声をかけてもらい光栄。十一演目すべて残せるよう続けたい」と先を見据える。鈴木さんも「何百年も受け継がれてきた獅子舞は、やってみると面白い。今後も続けたいが、笛や唄もあって先は長い」。中村さんは「人里にはよく来るが、獅子舞をやるのは初めて。奥が深くて大変」と実感する。

十九日は午前九時から獅子舞が集落を練り歩き、同十時から五社神社で神事を行った後、三人の舞が奉納される。また、平安時代の作とされ、神社に伝わる六体の仏像が神事から同十一時半ごろまで公開される。

十九、二十日とも午後五~同十一時ごろ、人里コミュニティセンターで一連の演目が披露される。

檜原村人里の三匹獅子舞 Facebookページ

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20150918/CK2015091802000153.html
参照元記事 / 東京新聞

「人里の獅子舞」を練習する小西さんら=檜原村で / 東京新聞

「人里の獅子舞」を練習する小西さんら=檜原村で / 東京新聞

Powered by: Wordpress