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勇壮「根岬はしご虎舞」奉納 陸前高田 / 岩手

陸前高田市広田町の根岬漁港広場で4日、4年に1度開かれる鶴樹神社例大祭があり、根岬はしご虎舞が奉納された。東日本大震災を機に祭りの意義を再認識し、「虎舞を演じるのは長男」との慣習を伝承のために見直した。

はしご虎舞は350年以上続く伝統行事。斜めに固定された長さ22メートルのはしご上で、才坊(さいぼう)と呼ばれる先導役が扇子と花を振る。2人一組で演じる虎は、高さ17メートルの先端まで登り、体をくねらせたり身を乗り出したりして勇壮な舞を披露した。

111世帯が暮らす根岬地区は津波に繰り返し襲われ、昭和三陸津波(1933年)後に高台へ移転。東日本大震災では住民数人が外出先で犠牲になったが、被災住宅は1軒だけで、虎舞のはしごや衣装は無事だった。

震災を乗り切って初めての例大祭となった今回、「虎舞を演じるのは長男」との慣習を見直し、次男2人が加わって8人となった。初披露を無事に終えた鈴木郷貴さん(27)は「怖くて暑いが、うまくなって舞を引き継いでいきたい」と汗を拭った。

虎舞組代表の菅野修一さん(61)は「しきたりは守りたいが、ぜいたくは言っていられない」。地区外に出た人も含め多くの住民らが集まり、たくさんの笑顔で埋まった会場を見渡した菅野さんは「地域のつながりや連帯をつくるのは祭り。震災を乗り越えた祭りを絶やすわけにはいかない」と話した。

http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141005_35005.html
参照元記事 / 河北新報

住民らが見守る中で奉納された「根岬はしご虎舞」=4日午前11時40分ごろ、陸前高田市広田町の根岬漁港 / 河北新報

住民らが見守る中で奉納された「根岬はしご虎舞」=4日午前11時40分ごろ、陸前高田市広田町の根岬漁港 / 河北新報

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