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和紙1300年、誇り高く 美濃市の職人「先人に感謝」

「1300年の歴史を築いた先人に感謝したい」「伝統の技法を次代に守り伝えていきたい」。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に「和紙 手漉和紙技術」の一つとして「本美濃紙」(国指定重要無形文化財)が登録される見通しになった28日、地元美濃市の紙すき職人や関係者は喜びに沸いた。

15歳から紙すきに携わり、現役の職人でもある本美濃紙保存会の澤村正会長(84)は「先人が最高の和紙を作り出すために伝えてきた伝統の技を誇りに思う。未来に向けて後継者を育てていきたい」と決意を新たにした。

30代から嫁ぎ先の工房で修業に励んできた鈴木豊美副会長(62)は「辞める人も多かったが続けてきて良かった」としみじみ。「1枚でも多く使ってもらえるよう精進したい」と意気込んだ。本美濃紙を店頭に並べる日進堂書店(同市本住町)の服部光夫社長(64)は「職人の丹念なちり取りや天日干しなどで手間暇掛けて仕上げた和紙。今までの積み重ねが報われた」と喜んだ。

正式な登録は11月下旬に決まる見通し。武藤鉄弘市長は急きょ記者会見し、市制60周年の節目に登録されることに「和紙を伝統産業とする美濃市にとって大変名誉な瞬間になる」と笑顔を見せた。登録へ道筋をつけた石川道政前市長も「もろ手を挙げて喜びたい。魅力あるまちづくりに役立ててほしい」と期待を込めた。

若手職人の育成や和紙の文化を発信する美濃和紙の里会館の船戸友数館長は「美濃和紙の美しさを多くの人に知ってもらえるチャンス」、市教育委員会文化財・町並み景観保全室の清山健室長は「越前や土佐など有名な和紙の産地もある。和紙の代表として業界全体を盛り上げる契機にしたい」と語った。

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20141029/201410290933_23610.shtml
参照元記事 / 岐阜新聞Web

本美濃紙を天日干しする保存会の澤村正会長=美濃市蕨生 / 岐阜新聞Web

本美濃紙を天日干しする保存会の澤村正会長=美濃市蕨生 / 岐阜新聞Web

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