Article

県民手帳:郷土愛くすぐる カラフル、特典も…全国で発売

今年もあと1カ月余り。来年用の手帳が店頭に並ぶ時期となった。予定管理だけでなく、地元の統計情報などがたっぷりつまった「県民手帳」が注目を集めている。県民手帳は全国41県(毎日新聞調べ)で発売され、価格は手ごろな500円前後が主流。郷土愛をくすぐる「ご当地グッズ」としても人気がある。中でも、長野は県民手帳愛用者が多く、2015年版は過去最多、全国でもトップの6万5000冊を発行した。

各地の県民手帳は、年間・週間のスケジュール表、官公庁をはじめ、県内の観光地やイベント、キャンプ場などの連絡先や人口や経済などの統計、特産品の紹介など、その県が分かるデータが盛り込まれている。

発行元の県統計協会によると、初の発行は1961年。そもそも、統計の普及・啓発を目的に作られ、各種統計調査員が調査予定などの記録用に使っていたらしい。それが「使いやすくて便利」と評判を呼び、市販されるようになった。

初期はワイシャツの胸ポケットにちょうど収まるサイズだったが、時代によって判型は変わり、現行型(縦13・8センチ、横7・8センチ)は1981年に採用され定着。発行部数は2008年ごろ、4万冊台まで落ち込んだが、全国ネットの情報番組で紹介されたこともあって、その後は右肩上がり。「何十年も使い続けている」という50、60代のリピーターが多いという。

若い世代からは、横けいの月間予定欄を「見やすいカレンダー状に」といった声が寄せられているが、協会事務局長の石坂秀彦・県統計室課長補佐は「使い慣れた人が多いだけに、大幅なリニューアルはしにくい」。ただ、ユーザーの声を反映して15年版から県内と周辺の主要交通網の図を2ページ見開きで掲載した。4月から消費税が8%になったが、定価は昨年と同じ500円。主要書店やコンビニ店で販売している。

増産や大幅なリニューアル、ご当地キャラをあしらうなど、他県でも大人気の県民手帳がある。

 
■青森県はカバーの色が5色!

「イカスミブラック」「ホタテベージュ」「リンゴレッド」など、名産品にちなんだユニークな5色から選べるのは青森県。性別問わず、幅広い世代が持てるように色を増やしたという。鳥取県も梨色やラクダ色がある。

 
■手帳代の元が取れる? 富山県

北陸新幹線開通に伴い、県外PRに力を入れる富山県は15年版を大幅にリニューアル。鉄道マニアにはたまらない県内路線の全駅や車両情報の掲載、富山湾のすしネタ、提示すると入場料の割引や特典がある「ジョイフルカード」が付いて550円だ。

 
■三重県は10年ぶり復活、宮崎県はスマホ対応

三重県は、統計協会の解散や需要の低下などで05年版で廃止となっていたが、郷土愛をくすぐる「ご当地モノ」として10年ぶりに復活する。手帳に載せきれない情報にもアクセスできるよう、携帯電話で読み取る「二次元コード」を付けた。宮崎県もスマホをかざすと情報が見られるAR(拡張現実)機能を付けている。

 
■人気のご当地キャラ

熊本県は「くまモン」をあしらい、徳島県は緑色が目立つ「すだちくん手帳」となっている。

12年から各県の県民手帳を集めて販売している東京の「渋谷ロフト」では、今年もコーナーを設けている。あなたもぜひ、お気に入りの県民手帳を持ってみては?

 
http://mainichi.jp/select/news/20141121k0000m040052000c.html
参照元記事 / 毎日新聞

過去最高の発行部数となった2015年版長野県民手帳=県庁で、福富智撮影 / 毎日新聞

過去最高の発行部数となった2015年版長野県民手帳=県庁で、福富智撮影 / 毎日新聞

 

Powered by: Wordpress