News

「日本農業の聖地」商標登録 輪島市、千枚田さらに発信

輪島市は二十五日、特許庁から「日本農業の聖地」の商標登録の認定を受けたと発表した。白米千枚田で今年、約六十年ぶりに復活させた伝統農法を広く発信するほか、「聖地」を活用して加工品などの付加価値を向上させ、ブランド化にもつなげる考えだ。

市は今年、国指定名勝「白米千枚田」で、地元の耕作支援グループ「白米千枚田愛耕(あいこう)会」の協力を得て、棚田に直接、種もみをまいて苗を育て、米作りをする伝統農法「水苗代」を復活させた。農法を将来に伝えようと、もみまきや田植えの様子などを撮影して現在、一年間の田んぼの営みを記録映像としてまとめている。

市はもみまき前の構想段階の三月末、「日本農業の聖地化を図っていこう」と考え、特許庁に商標登録を申請し、八月二十二日付で認定を受けた。

商標指定商品は米のほか、パンやサンドイッチ、ハンバーガー、ピザ、しょうゆ、すし、食酢、焼き肉のたれ、穀物の加工品など。

白米千枚田のオーナー会員には十月中旬から下旬にかけて、米袋に「日本農業の聖地」などと記されたシールを貼って収穫米を発送した。

市は今後、白米千枚田だけでなく、他で収穫した米も農家などの希望があれば聖地ブランドを使って売り出す考えがあるという。

 
オーナー募集5日開始

輪島市は十二月五日から、来年度の白米千枚田のオーナー制度会員の募集を始める。ユネスコの無形文化遺産で、田の神様を自宅などに迎え入れる農耕神事「あえのこと」が奥能登一帯で営まれる日に合わせた。

白米千枚田は大小千四枚の棚田で構成。昨年まで地元白米町の農家は三軒が耕作していたが、今年から二軒が断念し、千枚田景勝保存会長の田中喜義さん(73)のみとなった。

このためオーナー田は昨年の二百七十七枚から、今年は四百四十三枚まで増やした。来年も同規模の耕作を担ってもらい、耕作の維持と景観の保全に協力してもらう。

年会費はオーナー会員は二万円、稲作を手伝うトラスト会員は一万円、企業会員は五万円。申込期間は来年五月二十九日まで。作業の途中からでも会員になることは可能。作業に参加できない場合でも会員になれる。問い合わせは、市観光課=電0768(23)1146=へ。

http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20141126/CK2014112602000050.html
参照元記事 / 中日新聞

約60年ぶりに復活した、田んぼに直接、種もみをまく伝統農法「水苗代」。輪島市が「日本農業の聖地」の商標登録認定を受けるきっかけになった=今年6月、輪島市の白米千枚田で / 中日新聞

約60年ぶりに復活した、田んぼに直接、種もみをまく伝統農法「水苗代」。輪島市が「日本農業の聖地」の商標登録認定を受けるきっかけになった=今年6月、輪島市の白米千枚田で / 中日新聞

Powered by: Wordpress