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昭和の葛飾水害 貴重な映像発見 フィルムに1938年と58年の2つの記録

太平洋戦争前と戦後の復興期に、葛飾区を襲った水害を記録した映像が、区内で見つかった。保存状態は比較的良く、葛飾の水害の歴史を知る上で貴重な資料だという。二十三日に区内で上映する。

見つかったのは、一九三八(昭和十三)年と五八(同三十三)年の映像。いずれも現在の葛飾区東四つ木付近で撮影され、長さは五分程度。8ミリフィルムに収められている。区広報課によると、特に戦前は個人が撮影機を所有すること自体が珍しく、この時期の区内の水害を記録した映像が見つかるのは初めて。

戦前の映像は、近くで質屋を営んでいた故吉田喜太郎(きたろう)さんが、戦後の映像は郷土の写真収集をしている座間兼吉さん(86)が撮影。昨年、郷土史研究家の石戸暉久さん(69)が二つの映像を見つけ、写された場所や時期を特定した。

三八年は水害の明確な記録が残っていないものの、葛飾は荒川や綾瀬川など複数の河川に囲まれており、当時は水害が多発していたという。映像には、膝まで水がたまり、舟で移動する子どもたちや、荒川にかかる四ツ木橋付近に四一年まであった野菜市場で、商品を高台に避難させる様子が写っている。

五八年の映像は、静岡県などで多数の死者が出た狩野川台風を受けて撮影されたという。浸水した木根川商店街などの様子がうかがい知れる。石戸さんは狩野川台風の被害を覚えており、「とにかくすごい暴風雨だった。映像には小学校で教わった先生が写っている」と話す。

映像はDVDに複製され、二十三日午後一時から区市民活動支援センター(立石三)の上映会で初披露される。石戸さんは「自分の町にもこういう災害があったと伝えることで、防災意識を高められれば」と話している。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140320/CK2014032002000129.html
参照元記事 / 東京新聞

1938年に葛飾区を襲った水害の映像 / 東京新聞

1938年に葛飾区を襲った水害の映像 / 東京新聞

 

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