伊万里市二里町大里地区に継承される神事「取り追う祭り」が9日夜、同地区の神ノ原八幡宮であった。供物のにぎり飯「御供(ごくう)さん」をめぐり、地区の氏子らが激しく火の粉を散らす攻防を繰り広げた。
祭りは南北朝時代、北朝方の足利氏に敗れた南朝方の武将・菊池武重が大里地区に逃れ、再興のため火中訓練したのが始まりと伝えられる。現在では農作物を荒らす鳥を追い、豊作を祈る行事として継承されているが、本来は敵城を「取り」、敵兵を「追う」ことを意味しているという。
神殿で神事を行った後、祭りは佳境に。御供さんが入った竹製のかごが境内の演舞場内に運ばれ、これを奪おうと押しかけた攻め手の若者約20人と守り手の約30人が激しく攻防。守り手は柱などにたいまつの炎をたたきつけ、激しく火の粉を攻め手に浴びせた。約15分の攻防の末、攻め手がかごのふたを空け、中のにぎり飯833個を氏子や見物客に配った。にぎり飯は食べると無病息災で過ごせるとされる。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/135584
参照元記事 / 佐賀新聞