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長良川鵜飼を無形文化遺産に 官民一体「保存会」設立へ / 岐阜

岐阜市がユネスコの無形文化遺産登録を目指す長良川鵜飼を保存、継承するため、鵜飼事業に関わる人たち、市民団体、行政などが連携する保存会を立ち上げる準備が進んでいることが16日、分かった。1300年の歴史を誇るとされる鵜飼は漁を支える道具の職人が後継者不足となるなど深刻な課題に直面しており、“オール岐阜市”の体制でこうした課題に対応していく。

鵜匠をはじめ、鵜飼漁や鵜飼事業に携わる職人、また保存、継承を支援する行政や観光団体、経済団体、市民団体で構成する案が出ている。来年度の発足に向け調整が進んでいる。

市によると、こうした幅広い分野の関係者で構成する組織は初めてとなる。鵜飼の魅力を発信しているボランティアは「無形文化遺産登録に向け、いろんな団体のコラボレーションが必要だ。市民の意識を醸成して登録に向けた熱を盛り上げていきたい」と話している。

鵜匠と船頭、鵜が一体となって鮎を追う伝統の技を支えるのは、先人の知恵が凝縮された数々の道具。鵜匠が乗る鵜舟を手掛ける舟大工はただ1人となった。郡上市八幡町の田尻浩さんは「弟子を取るにも仕事がないと教えられない」と技術継承に危機感を訴えている。鵜を入れる鵜籠を作る職人も減り、手縄(たなわ)の確保も困難になっているという。

保存会は、道具だけにとどまらず、鵜飼文化をいかに守り、次に伝えていくかを研究、普及に取り組んでいくことを検討している。

「長良川の鵜飼漁」は2007年度に県重要無形民俗文化財に指定された。岐阜市は現在、国重要無形民俗文化財指定を目指している。

http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20141217/201412170918_23933.shtml
参照元記事 / 岐阜新聞Web

鵜飼舟の造船を実演する田尻浩さん(手前)。鵜飼舟を手掛ける舟大工はただ1人となった=昨年、郡上市八幡町 / 岐阜新聞Web

鵜飼舟の造船を実演する田尻浩さん(手前)。鵜飼舟を手掛ける舟大工はただ1人となった=昨年、郡上市八幡町 / 岐阜新聞Web

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