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「なにわの天文学」知って 大阪市内3館が連携企画

江戸時代の天文学に関する資料の展示が、大阪市の市立中央図書館(西区)を皮切りに市立科学館(北区)、大阪歴史博物館(中央区)で始まる。空気が澄んでいるため、冬の星空がきれいに見える観測環境を踏まえた3館連携企画は「優秀な天文学者」を生んだ大阪の歴史を学ぶ機会にもなりそうだ。

1月5日に年始開館する市立中央図書館は、「大坂の町人天文学者」と呼ばれた間重富(はざましげとみ)(1756~1816年)の間家文書を中心に大阪の天文資料を展示している。

質屋の家に生まれた間重富は、大阪に天文塾「先事館(せんじかん)」を開いた開業医の麻田剛立(あさだごうりゅう)(1734~1799年)の門弟になり、天体観測用の振り子時計「垂揺球儀(すいようきゅうぎ)」の考案や西洋天文学を取り入れた「寛政」の改暦に尽力している。

「江戸時代後期には大阪の地で優秀な天文学者を輩出し、日本の天文学に大きな影響を与えた」とは1月20日に企画展を始める市立科学館の事前告知。市立中央図書館の展示書籍『江戸の天文学』(中村士監修)も「なにわの天文学者、麻田剛立とその弟子たち」との項目を設けて大阪の歴史に光を当てている。

大阪が天文学者を輩出した背景について、市立中央図書館司書の窪田聡美さんは「商人の町」の自由な風土に着目し「商売人は仕事柄動きやすく、そのついでに好きなこと(天文学)に関わったのでは」と話している。

市立中央図書館の企画展は2月18日まで開催。大阪歴史博物館では1月28日から「『はかる』の歴史」と題して時間を計るための天文関係の道具などを展示する。

http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/150104/20150104026.html
参照元記事 / 大阪日日新聞

間重富の関連資料を紹介する市立中央図書館=大阪市西区 / 大阪日日新聞

間重富の関連資料を紹介する市立中央図書館=大阪市西区 / 大阪日日新聞

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