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重さ1トンの巨大鬼瓦、1年かけ制作 姫路の職人

兵庫県姫路市四郷町山脇に工房を構えるベテラン瓦職人の安川敏男さん(51)が、1年をかけ巨大な鬼瓦を完成させた。現在修復工事中の真宗大谷派四日市別院(大分県宇佐市、東別院)の依頼で、本堂に納められるという。姫路城の鯱瓦の復元なども手掛けた安川さんが、職人歴30年の節目を前に精魂を込めた大作で、「これまでの集大成。無事に完成してほっとしている」と感慨もひとしおだ。

安川さんは、姫路城や全国の寺社で鬼瓦の復元などに携わってきた。2年前、岡山県総社市の井山宝福寺で大きな鬼瓦を修復した際に縁があった設計士の推薦で、東別院の鬼瓦を手掛けることになった。

東別院は、戦国時代が起源といわれる。1744年、幕府にいったん召し上げられた後、東本願寺に下げ渡されたのが、現在の起こりとされる。焼失を経て、現在の本堂は1880(明治13)年に完成。国の登録有形文化財となっている。

今回復元制作したのは、明治初期の作とされる鬼瓦。安川さんは復元する際、瓦に作者の銘がある場合は通常、その子孫を訪ねたり、墓参したりしているという。ただ今回は、銘が確認できなかったため、同寺で参拝を済ませた後、制作に取り掛かった。

現物を姫路の工房に取り寄せ、形を忠実に再現。焼けば縮む瓦の特質を考えながら、たった一人で緻密な作業を1年間続けた。20のパーツに分かれた瓦の総重量は1トン超。組み立てると縦3・4メートル、横4メートル超にもなる。

「常に心静かに手を合わせながら作った。一人で作り上げたが、多くの人に支えられた思いが強い」と安川さん。新たな鬼瓦が納められた本堂を訪れる日を心待ちにしている。

http://www.kobe-np.co.jp/news/himeji/201501/0007655632.shtml
参照元記事 / 神戸新聞NEXT

完成した鬼瓦と安川敏男さん。「大きさに自分でも驚いた」=姫路市四郷町山脇 / 神戸新聞NEXT

完成した鬼瓦と安川敏男さん。「大きさに自分でも驚いた」=姫路市四郷町山脇 / 神戸新聞NEXT

先代の瓦を手本にしながら制作に没頭する安川敏男さん=姫路市四郷町山脇(安川さん提供) / 神戸新聞NEXT

先代の瓦を手本にしながら制作に没頭する安川敏男さん=姫路市四郷町山脇(安川さん提供) / 神戸新聞NEXT

 

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