5年半に及ぶ「平成の大修理」を終え、白亜の姿を取り戻した世界文化遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市)は、27日のグランドオープンまで1カ月を切った。約5年間、公開が中止されていた大天守内部の展示も一新。オープン前後には航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」のショーなど華やかなイベントがめじろ押しだ。姫路駅や大手前通りにはバナーなどが取り付けられ、早くも祝賀ムードが高まっている。(山崎史記子、仲井雅史)
大修理は2009年10月にスタート。「昭和の大修理」から約50年がたち、傷みや汚れが目立つ約7万5千枚の瓦をふき直した。瓦の継ぎ目や壁の漆喰(しっくい)も塗り替え、「白鷺(しらさぎ)城」の名にふさわしい外観がよみがえった。
27日に公開を再開する大天守内部は、江戸期の空間に最新の技術が加わり、城本来の魅力が一層楽しめる。
修理前に展示していた甲冑(かっちゅう)や武具は撤去し、太い柱や梁(はり)を組み上げた建築美を引き立たせる。照明も蛍光灯から、行灯(あんどん)をイメージした形の暖色系の発光ダイオード(LED)に変更。解説や表示を最低限に抑え、江戸期の雰囲気を再現する。
スマートフォンやタブレット端末を使った「AR(拡張現実)」技術を導入。専用アプリをダウンロードし、城内の各ポイントで端末をかざすと、石落としや火縄銃を撃つシーンなどの再現映像を見ることができる。無料でインターネット接続できる公衆無線LANや、看板などの外国語表記も充実させる。
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オープン前日の26日は、姫路城三の丸広場で、国内外の関係者約1400人が出席する記念式典がある。ブルーインパルスが午前10時から約10分間、城の上空を旋回する。
例年8月に開く「姫路お城まつり」を大型連休に前倒し。期間も1日延ばし、5月2~5日に開く。同3~5日には大天守にデジタル映像を投影する3Dプロジェクションマッピングも計画する。
オープン直後は桜の見ごろとも重なり、混雑が予想される。3月27日~5月10日は開門時間を30分~1時間早める。大天守への登閣は1日先着1万5千人を上限に整理券を配る。
ライブカメラで混雑状況を知らせたり、入城者数を予測したりする専用サイトも開設。姫路駅や周辺駐車場には電光掲示板などを設置し、待ち時間や整理券の配布状況を知らせる。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201503/0007779748.shtml
参照元記事 / 神戸新聞NEXT