美濃手漉(す)き和紙の職人で、2013年に46歳の若さで病死した保木成敏さんの遺作展が岐阜市橋本町、アクティブGの「THE GIFTS SHOP(ザ・ギフツ・ショップ)」で開かれている。保木さんの生前の人柄をしのばせる温かみのある作品が見る人たちの琴線に触れ、感動を呼んでいる。8日まで。
高山市出身の保木さんは、美濃市などで紙すきの技術を学んだ後、同市蕨生に工房を構えた。原料となるコウゾの栽培から手掛けるこだわりに加え、繊細にすいた紙を幾層も重ねて透かし文様を描く独自の技法も確立。新しい商品を生み出し、後継者の育成にも心を砕く気鋭の職人だった。
「保木さんの技と情熱を次代につなぎたい」。そうした思いから、親交があった古田菜穂子さん(53)をはじめ、友人やかつての仕事仲間が遺作展を企画した。展示は50点以上。雪の結晶の形を透かしで表した障子のついたてや、藍などの草木染のタペストリーなどは、自然美が凝縮され、芸術性も高められている。
妻の美保さん(44)=美濃加茂市=は「この場が開かれていることに主人も喜び、天国でうずうずしていることでしょう」と目を潤ませながら話していた。
一部の作品は販売されている。
http://www.gifu-np.co.jp/hot/20150302/201503021054_9196.shtml
参照元記事 / 岐阜新聞Web