飯山市の伝統工芸「飯山仏壇」の技を生かした木製のカップやiPhone(アイフォーン)ケースが人気を集めている。
企画販売しているのは、同市の「神仏の鷲(わし)森」専務取締役の鷲森秀樹さん(32)。アイデアと職人の技で、地元の伝統工芸に新たな光を当てようと奮闘している。
鷲森さんは、亡くなった先代の父利明さんの跡をつぐため二〇〇八年に東京から同市に帰郷し、自社工場で修業を始めた。同社の職人は、大半が五十五歳以上。熟練の職人から学ぶうちに、「この技を絶やしちゃいけない」と感じた。
営業企画担当になった三年前、「時代に合ったものを開発して若手を育てたい」と新たな商品開発に乗り出した。木工と漆職人の手による枡(ます)に持ち手が付いた「枡カップ」が生まれた。
アウトドア雑誌で取り上げられ、これまでに九千個を販売する人気商品に成長。二年前には木製のiPhoneケースを発売し、ケースの丸みや二ミリという薄さを伝統の技で実現した。
漆塗りの枡カップは一万円、ケースは六千五百円からだが、全国から注文がある。「作業場を見てみたい」と関東や関西から訪れる人もいるという。
十四日に北陸新幹線の飯山駅が開業。「飯山に来ないと手に入らない製品作りや一日職人体験もやってみたい。多くの方に職人の現場に触れてもらいたい」と、鷲森さんは来客を待ち望んでいる。
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20150329/CK2015032902000009.html
参照元記事 / 中日新聞