神埼市神埼町尾崎に「日の隈窯」を開く日本工芸会正会員勝田文博さん(63)が5月2日から、同窯で作品展を開く。鎌倉時代から続く尾崎焼と、和紙染めの食器や花器、茶器など約500点を展示する。5月5日まで。
尾崎焼は、元寇で捕らえられた陶工が尾崎地区に技術を伝えたのが発祥とされる。火鉢や調理器具の産地として栄えたが、生活様式の変化で1980年代に消滅の危機にさらされた。2010年から勝田さんが復興に力を注ぐ。
新作の「尾崎燻(いぶし)文花器」(高さ32センチ、径27センチ)は朝顔形で、漆黒を基調に茶と灰色の縦線が走るモダンな作品。不完全燃焼で煙を充満させる伝統技法「いぶし」に加え、酸化・還元焼成を駆使した。
和紙染めの作品は、身近な草花を茶色の濃淡で優しげに表現。鉄絵の具で描かれた露草やドクダミ、レンゲソウを、生がけした白化粧土が引き立てる。食器や茶器、陶額など幅広くそろえた。
勝田さんは「地元でとれる鉄絵の具、土を使った作品ばかり。窯周辺の自然とともに楽しんで」と来場を呼び掛ける。
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10105/180877
参照元記事 / 佐賀新聞