祇園祭の「夏越祭(なごしさい)」が31日、京都市東山区の八坂神社境内の疫神社で行われた。猛暑の中、参拝者は直径約2メートルの茅(ち)の輪をくぐって祭りの無事を感謝し、無病息災を祈って「蘇民将来子孫也」と書かれた護符を授かった。この神事で1カ月間にわたる祇園祭は幕を下ろした。
夏越祭は、疫神社の祭神蘇民将来が、旅の途中の八坂神社の祭神素戔嗚(すさのおの)尊(みこと)を厚くもてなし、その返礼として、蘇民将来の子孫であると言えば厄災から逃れられるという故事にちなむ。
午前10時、すでに気温が30度を超す暑さの中、神事が始まった。祇園祭の神輿(しんよ)会や氏子組織、山鉾の関係者をはじめ、約350人が茅の輪をくぐり、神前で手を合わせた。
森壽雄(ひさお)宮司(67)は「おかげさまで、無事に、いつも通りに、厳粛に、豪華絢爛(けんらん)、勇壮にご奉仕させていただいた。祭りの姿、形の継承はもとより、祭りの心がしっかりと子どもたちに継承されていると、心強く感じた」と1カ月間を振り返った。
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参照元記事 / 京都新聞