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江戸期の登り窯発掘に期待 京都・五条坂陶器まつり合わせ調査

京都市東山区五条通東大路西入ルで登り窯の発掘調査が始まっている。7日に始まる「五条坂陶器まつり」に合わせて、登り窯の内部や江戸期の遺構を探す調査の様子を公開することにしており「発祥の地近くに残る登り窯を通して、京焼の歴史に注目してほしい」と関係者らは期待している。

立命館大の木立雅朗教授(考古学)を中心に、3代目井野祝峰さんの窯で調査を進めている。窯のある旧音羽川沿いは、京焼の発祥地という。記録では、調査地に初めて窯を築いたのは江戸後期の2代清水六兵衛の長男初代七兵衛。清水家と親戚の清風与平家を経て、戦後になって現在の井野家が譲り受けた。

現在ある登り窯は、1971年に完成した。東に向かって盛り土をして築かれており、三つの「間」と呼ばれる焼成室が残る。同年の府公害防止条例などの規制により、一度も使われず、物置となっていた。木立教授は、陶芸家や学生とともに、6月から窯内部を整理し、何度か改築されている窯の遺構発掘を今月から進めている。

木立教授は、「京焼の源流の窯が、改築を重ねながらも受け継がれている、京都の陶芸史では重要な場所」とし、「ぜひ、江戸期の遺構を見つけたい」と期待している。

登り窯の公開は10日まで。河井寛次郎が使った桟板とよばれる道具なども展示する。23日午後2時から現地説明会を開く。京都陶磁器会館(東大路通五条上ル)でも7~10日に、今回見つかった明治から昭和期の作品を展示する。

http://kyoto-np.co.jp/local/article/20150805000032
参照元記事 / 京都新聞

整理された窯の内部。物置として使用されていたため電球が配置されている / 京都新聞

整理された窯の内部。物置として使用されていたため電球が配置されている / 京都新聞

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