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そろばん組み立て「期待の星」 小野に最年少の職人 / 兵庫

そろばんの一大産地である兵庫県小野市に、26歳のそろばん組み立て職人が誕生した。同市垂井町の宮永孝信さん。播州算盤(そろばん)工芸品協同組合によると、国内のそろばん産地は現在、小野市周辺と島根県にしかなく両産地を通じ、最も若い職人になるという。小野と周辺に22人いるそろばん職人は57歳以上。後継者不足に悩む播州そろばん期待の星だ。

宮永さんは通信制の高校を卒業後、トンネル工事を請け負う会社に勤め、全国の現場で働いていた。そろばん製造販売会社の社長を務める父英孝さん(62)からそろばん職人になるよう言われ、昨年1月、英孝さんの会社に入社。「ゆくゆくはそろばん作りをしないといけないという気持ちはあった」と話す。

昨年5月から先輩社員の伝統工芸士藤野文和さん(64)に学んだ。同年10~12月には伝統工芸士宮本一廣さん(73)の工房へ通った。技術だけでなく、職人として妥協を許さない姿勢を学んだという。

今年1月から一人でそろばん作りを始めた。困った時には宮本さんに助言を求めながら900丁以上を作った。最近仕上げた品は、宮本さんが「これなら大丈夫や」と太鼓判を押し、他の業者からも「本当に仕事を始めて16カ月か」と驚かれるほど上達。宮永さんは「より良いものを作りたい。スピードも上げないと」と向上心を燃やす。

若い職人がいないことへの不安はあるが、「同世代の仲間が増え、分業している作業も一貫してできるグループをつくれたら」と夢を語る。4月末に長女が生まれた。そろばんにやすりを当てながら「頑張らな」と力を込めた。

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201405/0006941931.shtml
参照元記事 / 神戸新聞NEXT

組み上がったそろばんにやすりをかける宮永孝信さん=小野市垂井町 / 神戸新聞NEXT

組み上がったそろばんにやすりをかける宮永孝信さん=小野市垂井町 / 神戸新聞NEXT

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