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街の情景伝える「吉原細見」紹介 台東区立中央図書館で企画展

江戸幕府公認の遊郭を抱えた吉原のガイド本として使われた「吉原細見(よしわらさいけん)」を紹介する企画展「吉原細見の世界」が、台東区西浅草の区立中央図書館「郷土・資料調査室」で開かれている。

吉原細見は、遊女屋や茶店、書店などが一軒ずつ書き込まれた地図で、入り口の「大門(おおもん)」や、帰る客が後ろ髪を引かれて振り返ったとされる「見返り柳」も記されている。遊女は店ごとに格付け順に載り、「紋日(もんぴ)」と呼ばれる正月などの特別料金日も案内されている。

当初の細見は一枚絵だったが、後に喜多川歌麿の版元として知られた蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)が手がける冊子体が登場した。発行も春と秋の年二回になる。見返しに著名人が序文を寄せていることも多い。

企画展では、図書館が所蔵する約三十点の細見原本のうち一八〇〇年代の十点のほか、本草学者の平賀源内が「福内鬼外(ふくちきがい)」の名で書いた「細見嗚呼御江戸(さいけんああおえど)」(一七七四年)の序文や、関連書籍などを展示。細見を元に起こし絵で立体化した模型もあり、大門から店が連なる雰囲気が感じ取れる。

資料室の専門員、平野恵(けい)さんは「吉原細見は遊女の評判記ととらえられがちだが、実はたくさんの情報を持つ郷土資料。街の歴史が伝わる」と話す。

九月十七日まで、午前九~午後八時(日曜祝日は午後五時まで)。問い合わせは、中央図書館郷土担当=電03(5246)5911=へ。

関連企画として、台東区立下町風俗資料館(上野公園)で「三浦屋と『江戸風俗人形』」も開催中(八月十七日まで)。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20140630/CK2014063002000115.html
参照元記事 / 東京新聞

吉原細見を元にした「起こし絵」で一帯を再現=台東区西浅草で / 東京新聞

吉原細見を元にした「起こし絵」で一帯を再現=台東区西浅草で / 東京新聞

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