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伝統工芸 存続の危機 「城崎麦わら細工」後継者不足 / 兵庫

兵庫県伝統的工芸品で豊岡市に伝わる「城崎麦わら細工」が継承の危機に直面している。4日に第一人者として知られていた小関寅雄さんが89歳で死去。後継者不足は深刻で、伝統技術を引き継ぐための模索が続く。

麦わら細工は、江戸時代中期に因幡(鳥取県東部)から湯治に訪れた職人が伝えたとされる。幕末に日本を訪れたドイツ人医師・シーボルトの所蔵品にも含まれていた。明治以降は高名な画家が現れて技術も進歩し、工芸品として定着した。

明治末期から大正には、30人以上の職人を土産物店が管理する分業制をとっていた。しかし主流の箱状作品は1日1~2個の制作が限度。費用対効果が低く、技術を伝承する習わしもなかった。

残る職人は3人。「城崎麦わら細工技術者の会」の神谷勝会長(73)は父親の後を継ぎ、二代目として活躍している。作品のきめ細やかさと美しさにひかれ、18歳から制作を開始。生産効率を上げるため、色染めして切り出した麦わらを色紙に貼り付ける技法を生み出した。息子の俊彰さん(49)も三代目として活動。学校での普及活動にも取り組んでいる。毎年制作するえとにちなんだ絵馬は、今年から俊彰さんが引き継ぐ予定だ。

主婦業の傍ら、技術者として活躍している女性も4人いる。神谷さんは「麦わら細工は奥が深い。次の世代、さらに次へと私たちがつなげていかなければ」と話している。

http://www.nnn.co.jp/news/150119/20150119001.html
参照元記事 / 日本海新聞

色鮮やかな麦わら細工を制作する神谷さん。伝統技術を絶やさぬよう情熱を注いでいる=豊岡市城崎町湯島 / 日本海新聞

色鮮やかな麦わら細工を制作する神谷さん。伝統技術を絶やさぬよう情熱を注いでいる=豊岡市城崎町湯島 / 日本海新聞

 

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