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「紙すきのうた」上演へ 遺産登録追い風、美濃市の文化発信 / 岐阜

紙すきの娘の姿を描いた市民音楽劇「紙すきのうた」が9年ぶりに美濃市で今月、上演される。本美濃紙を含む「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」が昨年11月にユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、紙すきの歴史にも関心が高まっており、出演者らは「郷土の歴史を伝えたい」と稽古に励んでいる。

原作は児童文学作家角田茉瑳子さん=岐阜市=が手掛けた「ゆきと弥助~紙すきのうた~」。郡上藩士の娘で父母を亡くしたゆきが、奉公人の弥助に恋心を抱きながら美濃の紙すきとして成長していく切ない愛の物語。舞台としては1999年の県民文化祭で初演し、県内各地の巡回公演でも好評を博した。美濃市では市民の手で2004、06年と再演され、市民の思い入れも強い。

「もう一度、美濃市で上演しよう」。これまで出演した市民らから声が上がり、本美濃紙のユネスコ無形文化遺産登録決定、昨年に市制施行60周年を迎えた節目を祝う公演にしようと準備を進めている。

今回の公演には保育園児から高齢者まで約60人が出演する。板間に座って紙をすいた江戸時代の様式や透かし入りの障子紙ができた背景などの紙の歴史を描きつつ、紙すきに奮闘する娘の成長をミュージカル仕立てにした。3部作で約3時間にわたる大作。出演者の一人、善応寺の雲山晃成住職(42)=同市吉川町=は「当時の人がどんな思いで紙をすいていたか分かる内容。美濃和紙を使った舞台美術も素晴らしいのでぜひ来場を」と話している。

公演は同市泉町の市文化会館で、24日午後6時と25日午後1時から。前売り券は一般2000円、高校生以下1000円。当日券はそれぞれ500円増し。全席自由。問い合わせは市文化会館「紙すきのうた」事務局、電話0575(35)0522。

http://www.gifu-np.co.jp/hot/20150119/201501191124_9086.shtml
参照元記事 / 岐阜新聞Web

本番に向け、稽古に励む出演者たち=美濃市泉町、市文化会館 / 岐阜新聞Web

本番に向け、稽古に励む出演者たち=美濃市泉町、市文化会館 / 岐阜新聞Web

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