Craft

津幡職人の技 全国発信 来月、東京で建具フェア / 石川

県代表 中田さん、河原さん出展

7月10、11両日に東京都内で開かれる全国建具フェア(全国建具組合連合会主催)に、県建具協同組合を代表して中田勇次さん(43)ら津幡町の職人2人が引き戸を出展する。障子戸を出す中田さんは金沢市と同市周辺に伝わる「切り面技法」を取り入れ、技法の発信に期待している。

切り面技法は、縦横に組んだ細い部材「組子」の角を削る面取りの技術で、組んだ二本の面を専用小刀でそろえる一ミリ単位の繊細な技法。一定の強度を持ちながら上品に仕上がる利点があり、中田さんによると、少なくとも江戸末期から町家などで使われてきたという。

作品の障子戸は高さ二・二メートル、幅一メートルで、総延長三十五メートル、幅四・五ミリの組子を幾何学模様に組んだ。組子が交わる約四百カ所で切り面技法を使い、二週間かけて完成させた。

建具師として二十数年の中田さんは、同じく職人だった祖父から技法を教わった。手間がかかるため全国的に珍しく、地元でも受け継ぐ建具店は約三十軒のみ。中田さんは「面取りは職人技の見せどころ。出品で全国の多くの人に知ってもらい、地元でその価値が見直されれば」と話している。

もう一人の出品者は三十四年のベテラン河原直樹さん(52)。作品は津幡産スギの間伐材を活用した高さ二・一メートル、幅〇・九メートルの引き戸で、旧知の漆職人の力を借りて漆塗りで仕上げた。

河原さんは「建具も漆工芸も衰退が言われる中、東京での情報発信で活路を見出したい」と期待している。

http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20150630/CK2015063002000046.html
参照元記事 / 中日新聞

中田勇次さんが出展する幾何学模様の障子戸=津幡町清水で / 中日新聞

中田勇次さんが出展する幾何学模様の障子戸=津幡町清水で / 中日新聞

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