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初代ハチ公像の原型、80年ぶりに見つかる

東京・渋谷駅前のシンボルとして親しまれている「ハチ公」の銅像ですが、戦時中に金属不足を補うために撤去され、戦後に作り直されたことはあまり知られていません。

その失われた「初代ハチ公像」の原型となった石こう像が80年ぶりに見つかり、専門家は「初代ハチ公像を知る非常に貴重な資料だ」と話しています。

初代のハチ公像は、彫刻家の安藤照さんが戦前の昭和9年にハチ公をアトリエに呼んで制作しましたが、戦時中、金属不足を補うために撤去されてしまいました。

安藤さん自身も空襲で亡くなったため、戦後、息子の士さんが平和のシンボルとして作り直しましたが、資料はほとんど焼けてしまい、記憶だけが頼りだったということです。

ところが、初代ハチ公像が作られてことしで80年となるのに合わせて、渋谷区郷土博物館が調査したところ、初代ハチ公像の原型となった石こうの像を安藤さんの知人が保管していたことが分かりました。

この石こう像は、高さ20センチ余りで、台座の部分に署名もあったことなどから安藤さんの作品と確認されました。

安藤さんが銅像の原型として粘土で作った像から型を取って作ったものと見られ、今のハチ公像がやや上を向いているのに対し、正面を見据えた力強い姿が特徴となっています。

石こうの像を保管していた谷内眞理子さんによりますと、安藤さんと交流があった谷内さんの母親が譲り受けたあと疎開先に持って行っていたため空襲の被害を免れていたということです。

渋谷区郷土博物館の松井圭太学芸員は「写真で確認するしかなかった初代ハチ公像の詳細な姿を知ることができる大変貴重な資料だ」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140415/t10013759891000.html
参照元記事 / NHK NEWSweb

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